タイミング法

タイミング法とは、ホルモン検査や超音波検査などの検査でできる限り正確な排卵日を予測し、妊娠しやすいタイミングに夫婦生活を持てるように調べます。
自然の周期によるタイミング指導に加え、必要に応じて排卵誘発剤を使用して卵胞を育てる場合もあります。

タイミング法の流れ

1.ホルモン検査や超音波検査などで正確に排卵日を予測

過去の基礎体温のグラフより、低温期から上昇期の数日を排卵日と推定します。
排卵時期が近づいてきたら来院していただき、経腟超音波検査で卵胞の大きさを測定し成長をチェックします。
自然周期の場合には、卵胞径が12mm程度になってからは1日あたり約2mmのペースで成長し、卵胞径が18~22mm程度になると排卵されるので、あと何日で排卵するかを予測しながらフォローします。

排卵前に大量に分泌されるホルモンであるLH(黄体形成ホルモン)の検査を行うこともあります。
また、排卵期には頸管粘液の性状も変わります。
排卵時期以外は、子宮内に細菌などが侵入するのを防ぐために子宮の入り口をブロックしている頸管粘液ですが、排卵が近づくと精子を受け入れやすくするために透明でよく伸びる性状に変わります。

2.アドバイスを受けたタイミングで夫婦生活を持つ

具体的にタイミング(夫婦生活)を取る指導をします。
必要があれば、排卵のタイミングがあっていたかどうかを後日超音波検査にて確認します。
基礎体温の上昇も排卵があったかどうかの重要な手がかりです。
黄体機能の評価である黄体ホルモン検査(E2,P)は、排卵確認後の指定した日に検査します。
排卵があり、タイミングがあっていれば、あとは妊娠を待つばかりです。

3.妊娠の成立

妊娠5週に子宮内に胎嚢が確認されれば臨床妊娠といわれます。
妊娠6~7週に心拍が確認されれば、妊娠成立となります。

タイミング法の費用

タイミング法にかかる費用は、個人個人で通院や検査の回数、薬処方の有無などが異なるため一概にはいえません。
保険適用の範囲内であれば、1回2,000~3,000円程度です。
ただし、排卵日を予測するための超音波検査を月に複数回受けたり、排卵を促すための排卵誘発剤を処方すると保険適用外となる場合もあり、1~2万円程度かかる場合もあります。

タイミング法の注意点

受精能力の高い成熟卵子を育て、その排卵日を予測または設定して、性交渉を持っていただくタイミングを指導するのがタイミング法です。
しかし、どんなに良好な卵巣刺激法を行ったとしても、一般的に排卵は1ヶ月に1回程度です。
よって多忙な場合、性交自体を行うことが難しいと考えられ、タイミング法で妊娠を目指すことはあまり得策ではありません。

そのような場合には、あらかじめ御主人の精子を凍結保存しておき、排卵の時期に人工授精を行うことで、妊娠を目指す方が良いと考えられます。
当クリニックでは精子の凍結保存も可能ですので、上記のような状態であればいつでもご相談ください。
なお、不妊症ではないカップルのタイミングによる妊娠率は1回あたり約20%であり、不妊症のカップルでは約5~8%とされています。