子宮内膜ポリープ

婦人科疾患による不妊治療

子宮内膜にできる良性の腫瘍ですが、
胚の着床を妨げる可能性があり、反復着床不全の要因にもなります。
この場合、子宮鏡手術(レゼクト手術:子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術)で
ポリープを切除することで妊娠の可能性を高めることができます。

子宮内膜ポリープとは

子宮内膜の異常な増殖によってできる腫瘍で、ほとんどのものが良性です。1cm以下の小さいものから数センチにもなる大きなものもあり、1個だけではなく何個もできることもあり、20代から閉経前の女性が多くみられます。
自覚症状のない人も多く、婦人科検診、婦人科疾患や不妊検査などの超音波検査で偶然見つかることも少なくありません。
症状には、不正出血、月経時の経血量が多い、月経の出血期間が長引く、月経周期が乱れるなどがあり、また閉経後の子宮内膜ポリープは子宮体がんに関係することが指摘されています。
子宮内膜ポリープができる原因は明らかではありませんが、子宮内の炎症、内膜掻爬によってできた傷、ホルモン分泌の問題などが要因となって一部分の子宮内膜が増殖してポリープになるのではないかと考えられています。

着床不全と子宮内膜ポリープ

子宮内膜にポリープがあることで、胚の着床が妨げられることがあります。
不妊に悩む女性の10〜20%に子宮内膜ポリープがあり、大きいものについては取り除くことで妊娠が期待できます(※1)。
また、最近では子宮内膜ポリープと慢性子宮内膜炎も関係があり、子宮内膜ポリープがあると慢性子宮内膜炎にかかりやすく、その場合、子宮内膜ポリープを切除することによって慢性子宮内膜炎も治るという報告が多く発表されています。
子宮内膜ポリープによって胚の着床が妨げられるだけでなく、慢性子宮内膜炎が併発されることでも着床に悪影響があるため子宮内膜ポリープは、その発生部位や個数にかかわらず、積極的に切除したほうがよいでしょう。

※1:Human Reproduction Update. 2010, Vol 16, No 1, p1-11.

【参考1】「子宮内膜ポリープと慢性子宮内膜炎」医療法人オーク会ブログより
【参考2】「子宮内膜ポリープと不妊治療」医療法人オーク会ブログより

検査方法

超音波検査

経腟的超音波を用いて行う検査方法

子宮鏡検査

経腟的に⼦宮内へ細いカメラをいれて、⼦宮の内腔を直接観察する検査

ソノヒステログラフィー(SHG)

子宮腔内に、生理食塩水を注入して経腟的超音波を用いて行う検査

エコー検査

エコー検査

子宮鏡検査

子宮鏡検査

エコー検査

エコー検査

治療方法

当院では、細径硬性子宮鏡を用いて子宮内膜ポリープを切除しています。子宮鏡の内側にシェーバーという細い鉗子を通して、ポリープを削るようにして切除しています。
静脈麻酔や局所麻酔を使用しますので、痛みの心配や不安がなく手術を受けることができます。
だいたい半日くらいの院内滞在になります。
手術は、原則として月経周期の前半に行い、次の周期から胚移植が可能です。

ポリープイメージ
ポリープを切除イメージ

細径硬性子宮鏡を使うメリット

削ったポリープをシェーバーが吸い取るので、ポリープが子宮内に残ることはありません。これまでの子宮鏡の先端にある小さなハサミで切る方法や電気メスで焼き切る方法などのように、切除したポリープをその都度、体外へ取り出すために子宮から引き抜く必要がなく、複数個のポリープを続けて切除することができます。また細径硬性子宮鏡を腟から入れるため手術の約1~2時間前に子宮の入り口(子宮頸頚管)を広げますが、ラミナリア(*)を用いて行うため機械的な拡張より安全性も高く、患者さんの身体的負担も軽くなりました。
そのほか、これまでよく用いられていた電気メスで焼き切る方法は、熱による内膜の損傷が心配でしたが、細径硬性子宮鏡にはその心配がありません。

*天然の海藻を乾燥させた茎で子宮頸頚管の中に入れると体内の水分を吸収して膨らみ、子宮頸頚管が拡張する

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