着床前診断と顕微授精(ICSI)

着床前診断は、受精卵から細胞を採取する必要があるため、また複数の受精卵が必要なために体外受精の場合にしか受けることができません。
また体外受精は、他の精子のDNAの混入を避けるために、卵子に1個の精子を直接入れる顕微授精(ICSI)で行います。

1. 排卵誘発~受精

卵巣から複数の成熟した卵子を採取するために、薬剤や注射を用いながら卵胞を発育させます。
排卵誘発法には「低刺激」「中刺激」「高刺激」などがありますが、お一人お一人に合わせた適切な排卵誘発法を選択します。
卵子が成熟したら卵巣に針を刺して、卵子の採取を行います。
採取した卵子と男性に採取してもらった精子は、顕微鏡下で卵子に直接精子を注入するICSIで受精を行います。

2. 受精卵の診断

ICSIで得られた受精卵を培養し、6-8細胞期または胚盤胞となったら受精卵の外側にある透明帯と呼ばれる殻に穴を開け、その穴から細胞を取り出して検査を行います。
細胞を取り出しても、受精卵には影響がないことが知られています。
取り出した細胞は目的に合った着床前診断の検査を行い、受精卵1つずつ異常があるかどうかを診断します。

8細胞期 胚盤胞

8細胞期 胚盤胞

3. 胚移植

検査により、良好と診断された受精卵(胚)を子宮に移植します。移植されない受精卵は、凍結保存を行うことができます。

着床前診断の一般的な情報を提供しています。