精子提供(AID)について ~モンゴルの英雄の逸話~

精子提供(AID)について ~モンゴルの英雄の逸話~

理事長の中村嘉孝です。

日テレNEWS24のサイトからの要約、抜粋です。

第三者による精子提供(AID)で生まれた人たちが11日、AIDを中止するべきと訴え、研究者と「第三者の関わる生殖技術について考える会」の立ち上げを発表した。

国内でAIDによって生まれた人は約1万人いるとされ、ほとんどの親は子供にその事実を隠しているという。

出席者は「親の死亡や離婚で事実を知り、怒りを覚えた」「自分の半分がわからないで生きるのはつらい」と述べ、中止すべきと訴えた。
( 原文はhttp://news24.jp/articles/2010/03/11/07155158.html

このニュースを知って、ふと、モンゴルの英雄のことを思い出しました。

といっても朝青龍のことではなくて、一代にして巨大帝国を作りあげた遊牧民の英雄、チンギスハーンのことです。若きチンギスハーンは戦闘に破れ、新婚の妻を敵部族に略奪されました。
後に勝利して取り返した妻は、すでに妊娠していましたが、チンギスハーンはその子を「ジュチ」と名付け、その後に生まれる実子と同じく、大切に育てました。

ジュチは若い頃から父に従って各地を転戦して、父の統一事業を助けました。
ジュチとは、モンゴル語で「客人」を意味するそうです。

ご本人方は深刻な悩みのように言われているところに申し訳ないのですが、実の親が知れぬという話は別に生殖技術に限った話ではありません。
まして、それで「怒りを覚えた」などと言うのは、失礼ながら了見が狭い話だと思います。

どんな形であれ、この世に生を受けることは言祝がれるべきことだと、私は信じています。