ミズイロと学ぶ!PGTの細胞は、どう管理されている?― 検査に出すまでの大切なプロセス ―

ミズイロと学ぶ!PGTの細胞は、どう管理されている?― 検査に出すまでの大切なプロセス ―


PGTでは、胚盤胞から一部の細胞を採取し、その細胞を検査に出して染色体の数を調べます。
では、採取した細胞は、そのあとどうなるのでしょうか。

「細胞を採ったら、あとは検査に出すだけ」と思うかもしれません。

でも、採取した細胞を検査につなげるまでには、いくつか大切な確認があります。

● どの胚から採った細胞なのかを、最後まで正確に管理すること。

● ほかのDNAなどが混ざらないようにすること。

一つひとつの胚から採った細胞を正しく検査につなげるために、どのようなことが行われているのでしょうか。

採取した細胞は、検査に使う「検体」になる

PGTのバイオプシーでは、胚盤胞の外側にある栄養外胚葉(TE)から細胞を採取します。
採取された細胞は、PGTの検査に使う「検体」として扱われます。

検体というと少し難しく聞こえるかもしれませんが、ここでは「検査に使うために採取した細胞」のことです。採取した細胞は、検査に必要な状態を保てるよう、決められた方法で扱い、適切に保管します。

大切なのは、細胞を採取することだけではありません。
採取した細胞を、次の検査へ正確につなげていくことも、PGTの大切な工程なのです。

参考記事:PGTのために、細胞はどのくらい採る?(URL)

「どの胚から採った細胞?」を間違えない

PGTでは、一つの胚だけを扱うとは限りません。

複数の胚をバイオプシーする場合には、それぞれの胚から採取した細胞を間違えないように管理する必要があります。

たとえば、胚Aと胚Bからそれぞれ細胞を採取したとします。このとき、胚Aから採った細胞を胚Bのものとして扱ってしまうようなことがあってはいけません。

PGTの検査結果は、その後、どの胚を移植するかを選択したり、移植する胚の優先順位を考えたりするときの判断材料になります。

もし、胚Aから採った細胞の検査結果を胚Bの結果として扱ってしまえば、本来とは異なる検査結果をもとに、移植する胚を選んでしまうことにつながります。

だからこそ、どの細胞がどの胚から採取されたものなのかを、最後まで正確に管理することが重要なのです。

「この細胞は、どの胚から採ったものなのか」

この情報を移植まで正確につなぐことが、PGTの検査を正しく行うための大切な管理の一つなのです。

ほかのDNAが混ざらないようにする「コンタミネーション」

もう一つ注意しなければならないのが、採取した細胞に、本来そこにはない別のDNAなどが混ざってしまうことです。これを「コンタミネーション」といいます。

PGTでは、採取した少数の細胞を使って検査を行うため、別のDNAなどが混ざらないように注意して扱う必要があります。そのため、細胞を扱う環境や器具、作業の手順などにも、コンタミネーションを防ぐための配慮がされています。

せっかく胚から細胞を採取しても、その後の取り扱いで別のDNAなどが混ざってしまえば、検査に影響する可能性があります。
だからこそ、バイオプシーの技術だけでなく、採取した細胞をその後どのように扱うかも重要なのです。

胚は凍結、採取した細胞は検査へ

バイオプシーで細胞を採取したあとは、胚を凍結します。

一方、採取した細胞は、どの胚から採ったものなのかを正確に管理し、ほかのDNAなどが混ざらないように注意しながら、検査へつなげていきます。

つまり、バイオプシーのあとは、「胚」と「採取した細胞」がそれぞれ別々の道を進むことになります。

胚は凍結して保管され、採取した細胞は

● どの胚から採取した細胞なのか

● ほかのDNAなどが混ざっていないか

などを確認しながら、細胞を管理し、一つひとつの胚から採取した細胞を、間違いなく検査へ届けます。

PGTというと、「胚から細胞を採って、検査結果を見る」というところに目が向きやすいかもしれません。

でも、その結果が出るまでには、細胞を採取するだけでなく、採取した細胞を正しく管理し、もとの胚との対応関係を保ったまま検査へつなげるという大切なプロセスがあります。

そして、検査結果が出たときには、その結果がどの胚のものなのかが正しくわかることが大切です。

次回は、いよいよPGTの「検査結果」に注目します。

検査では、染色体についてどのようなことがわかるのでしょうか。そして、性染色体はどのように扱われるのでしょうか。

<<採れる細胞が少ないとき、どうする?― 胚の状態を見ながら考えるバイオプシー ―

次回へ続く

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