Oak Journal Review: BMIと不妊をつなぐ分子を見つけられるか?

Oak Journal Review: BMIと不妊をつなぐ分子を見つけられるか?

こんにちは。検査部の鈴木です。

今回は、3月29日に開催いたしましたOak Journal and Case Reviewより、私が紹介したOak Journal Reviewの内容をお届けします。

紹介する論文は、
Body mass index in relation to extracellular vesicle-linked microRNAs in human follicular fluid.
Martinez RM, Baccarelli AA, Liang L, Dioni L, Mansur A, Adir M, et al. Fertil Steril 2019;112(2):387–96.
です。

少し前にもBMI(体型の指標)の論文を紹介(1)させていただいたので、私がよほどBMIに興味を持っていると思われるかもしれません。
確かにBMIと不妊の関係に興味があります。それは、BMIと不妊の関係は謎だらけだからです。

不妊の原因にはいろいろな種類があります。その多くの原因は、もちろん完全に原理が解明されているわけではありませんが、その理由を説明されると不妊となる事が確かになんとなくは理解できます。しかし、BMIが高い(肥満)と妊娠しにくくなる事は明らかですが、その理由はまだほとんど分かっていません。
今回紹介する論文は、まだまだ先は長そうですがBMIが不妊の原因となるメカニズム解明に一歩近づいたものだと思います。

この論文では、最近ガンやその他の疾患との関連から注目されているマイクロRNA(miRNA)という分子に注目しました。このmiRNAは、タンパク質を作る鋳型となるmRNAに結合して、タンパク質が作られる事を阻害します。
そこで論文の筆者らは、妊娠とmiRNAに関連があるのならば、卵胞液中にBMIの変動に相関性を示し、かつ卵子の発生や成熟、妊娠と関連のあるmiRNAが存在する考え、そのようなmiRNAを探索しました。

そのような想像したBMIと相関性を示すmiRNAは見つかるのでしょうか。
研究の詳細はこちらの動画でご確認ください。

参照
Oak Journal Review:妊娠するまでの期間はカップルのBMIによって変化するか