日本生殖医学会 ~加齢と造精能力~

日本生殖医学会 ~加齢と造精能力~

こんにちは 多田です。

日本生殖医学会での続きです。

最近、高齢化による卵子の質の低下が話題になってきています。
男性の場合、精子は精母細胞から作られており、年齢とともに造精能力は落ちますが、卵子のようになくなることはありません。
特に異常のない方であれば、精子の状態が悪くなり、不妊治療ができなくなる場合はほとんどありません。

一方、無精子症のためTESEで精巣内精子を回収しないと、受精卵を作れないような場合は話が違ってきます。通常、クラインフェルター症候群の場合、TESEで精子回収率は20-50%という報告がなされているのですが、今回発表された演題の中に、クラインフェルター症候群の患者さんの加齢とともにTESEでの精子回収率が悪くなるとの報告がありました。(小堀善友 独協医科大学越谷病院泌尿器科)

クラインフェルター症候群(1,000人に1人ぐらいの割合でおられます)の方は、普通に生活を送っておられるのですが、こと不妊治療に関しては、より若いときに治療を開始することがより有効と思われました。