
PGTでは、胚盤胞のTE(栄養外胚葉)から細胞を採取して検査を行います。
でも、胚盤胞になったからといって、すべての胚が同じようにバイオプシーできるわけではありません。
TEの細胞が少なく、細胞を採取するのが難しい状態の胚もあります。
では、そのような場合はどうするのでしょうか。
採れる細胞が少ないときは?
胚盤胞になったものの、TEの細胞が少なく、グレード評価がCになっている場合があります。
このようなときには、すぐに細胞を採取するのではなく、もう少し胚の発育を待つという考え方があります。胚盤胞がさらに発育すれば、TEの細胞が増え、バイオプシーを行いやすくなる可能性があるためです。
一方で、すべての胚が順調に発育するわけではありません。発育が停止してしまい、バイオプシーができなくなる可能性もあります。
「もう少し待つのがよいのか」
「今の状態で採取するのか」
「見送るのか」。
こうした判断も、胚の状態を見ながら考えていくことになります。
― 胚の発育とグレード評価(その1)―(https://www.oakclinic-group.com/blog/2026/04/28/learn-with-mizuiro-embryo-development-and-grade-assessment-part1/)
バイオプシーする? しない?
PGTでは、細胞を採取することだけでなく、どのタイミングで採取するのかを考えることも大切です。
すぐに採取できる状態なのか、もう少し発育を待ったほうがよいのか。
胚の発育の様子やTEの状態を観察しながら、その胚にとってどのタイミングが適しているのかを考えます。場合によっては、バイオプシーを見送るという判断になることもあります。
では、バイオプシーを見送った胚は、どうするのでしょう。
バイオプシーできなかった胚は、移植も見送りになるのでしょうか。
バイオプシーを行うかどうかと、その胚を移植するかどうかは、必ずしも同じ判断ではありません。
胚の発育の様子や現在の状態などから、TEの評価がCであっても、妊娠の可能性がないわけではありません。つまり、PGTのためにバイオプシーを行えなかったからといって、その胚の可能性までなくなるわけではないのです。実際に、TEだけでなく、ICMの評価にCがあっても妊娠して、赤ちゃんを迎えられることがあります。
参考記事:低グレード胚盤胞を移植した際の妊娠成績(https://www.oakclinic-group.com/blog/2022/05/10/oak-journal-review%EF%BC%9A-%E4%BD%8E%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E8%83%9A%E7%9B%A4%E8%83%9E%E3%82%92%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E3%81%97%E3%81%9F%E9%9A%9B%E3%81%AE%E5%A6%8A%E5%A8%A0%E6%88%90%E7%B8%BE/?utm_source=chatgpt.com)
胚の状態を見て、方法を考える
PGTのバイオプシーでは、「細胞を採れるかどうか」だけを見るのではありません。
その胚がどのように発育しているのか、TEの細胞がどのくらいあるのか、今すぐ採取するのがよいのか、それとももう少し待つのがよいのか。
一つひとつの胚の状態を見ながら、バイオプシーの方法やタイミングを考えます。
PGTというと、検査そのものに目が向きやすいかもしれません。
でも、その前には、胚を観察し、「今、採るのか」「待つのか」「見送るのか」を考える工程があります。
胚培養士にとって、こうした判断も、PGTを支える大切な技術の一つなのです。
次回は、バイオプシーで採取した細胞が、検査に出されるまでの過程を見ていきます。
採取した細胞と胚を正確に結びつけ、別のDNAなどが混ざらないようにするためには、どのような管理が行われているのでしょうか。
<<ミズイロと学ぶ!PGTの細胞は、どう管理されている?― 検査に出すまでの大切なプロセス ―
次回へ続く
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