日本受精着床学会 排卵誘発法研究委員会 Zoom勉強会で講演しました

日本受精着床学会 排卵誘発法研究委員会 Zoom勉強会で講演しました

6月24日、日本受精着床学会 排卵誘発法研究委員会主催の第1回Zoom勉強会に演者として参加し、神谷レディースクリニックの岩見菜々子先生とともに、PPOS(Progestin-Primed Ovarian Stimulation)法についてディスカッションを行いました。

今回の勉強会では、一方的な講演ではなく、実際にPPOS法を日常診療で数多く行っている2施設が、それぞれの運用方法や考え方を持ち寄り、実臨床に即した意見交換を行う形式でした。

当院からは、これまで蓄積してきたPPOS法の豊富な経験をもとに、

  • 14,000周期を超えるPPOS症例の臨床成績
  • PPOS法のメリット(簡便性・コスト・OHSS予防)
  • ランダムスタートやDuoStimなど時間を有効活用する治療戦略
  • 子宮内膜症やがん・妊孕性温存、子宮体癌前がんなど特殊症例への応用
  • 実際の症例を通じたPPOS法の有効性と限界

について報告しました。

その後のディスカッションでは、

  • 内膜症症例に対するPPOSの運用
  • FSH製剤・hMGの選択
  • LH値やトリガー方法、採卵タイミング
  • PPOS後の凍結融解胚移植における内膜調整

などについて、神谷レディースクリニックと当院の考え方や実際の運用を比較しながら、活発な意見交換を行いました。

また、参加された先生方からも多くの質問をいただき、施設ごとの違いや共通点について活発な議論が行われました。

オーク会では2017年頃からPPOS法を積極的に導入し、現在では当院の標準的な排卵誘発法の一つとなっています。そのため、多数の症例を経験してきた中で、どのような患者さんに向いているのか、どのような工夫をすると成績が向上するのか、逆に難しい症例では何が課題となるのかといった点について、多くの知見が蓄積されています。今回の勉強会でも、その経験をもとに実際の運用方法を紹介させていただきました。

一方で、PPOS法にはまだ十分なエビデンスが確立されていない部分も少なくありません。

例えば、内膜症症例でジエノゲストをどのように併用するのが最適か、LH値をどこまで測定・管理すべきか、hCGトリガーとGnRHアゴニストトリガーの使い分け、採卵時の最適な卵胞径、PPOS直後の凍結融解胚移植を自然周期とホルモン補充周期のどちらで行うかなどは、各施設が経験を積み重ねながら最適解を模索している段階です。今回もこれらのテーマについて活発な討論が行われました。

このような勉強会では、「どちらが正しいか」を決めることだけが目的ではありません。異なる施設の経験を共有することで、新たな視点や改善のヒントが生まれます。

当院でも日々、排卵誘発法や培養方法の改良に取り組み、一定の成果を得ていますが、難治症例では今なお課題を感じる場面があります。だからこそ、施設間で率直に経験を共有し議論を重ねることが、より良い生殖医療につながると考えています。

今回の勉強会も、私自身にとって大変有意義な機会となりました。今後もオーク会では、臨床経験とエビデンスの両方を大切にしながら、患者さまにより良い医療を提供できるよう取り組んでまいります。


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