日本受精着床学会に参加しました…その3

日本受精着床学会に参加しました…その3

検査部の中森です。

先日、鳥取県米子市で開催された 第35回 日本受精着床学会に参加してきました。
学会中、AMHについての発表がいくつかありましたので紹介させて頂きます。

ご存知の通りAMHとは、アンチミュラー管ホルモンの略です。血中AMH値によって、卵巣内にどれぐらい卵の数が残っているか、卵巣の予備能がどれほどかを知ることができます。

これはAMHが成熟する前の発育過程にある卵胞から分泌され、その測定値と発育卵胞の数は相関することから卵巣の状態を知ることができるのです。

また、卵子の 元になる原子卵胞は胎児期につくられ年齢と共に減少していきます。
その為、AMHは卵巣予備能、卵巣の中に残っている卵子の目安となる評価指標であると言えます。

検査の結果このAMH値が低い場合妊娠できないと考える方が多いようですが、AMH値と妊娠率は関係ありません。あくまで残りの卵子数の目安なのです。また、AMH値によって卵の質が分かるわけではありません。

しかしAMH値を測定すること、つまり卵巣予備能を知ることは治療のプランを立てる上でも重要なことです。
また、数値が著しく高い場合(4.0~5.0 ng/ml以上)は多嚢胞性卵巣症候群の可能性が考えられます。採卵時のOHSSを防ぐ為にも治療の前にご自身のAMH値を知ることは大事なことです。

一方、AMH値は他のホルモン検査よりも測定法の違いによる測定値の誤差が大きいことが知られています。
現在この誤差を減らすために研究が進んでいるようです。より正確な検査結果を患者様に提供できるよう最新の情報にも気を付けたいと考えています。