採卵回数と生産率

採卵回数と生産率

医局カンファレンスです。

今回は採卵回数と生産率についての論文を紹介します。
(Hum Repro 2016;31:572-581)

イギリスのデータです。
1992年から2007年までに採卵をおこなった178,898名について、ドナー卵子を用いた場合、18歳未満と50歳以上、4個以上移植したものは除いています。3回採卵を実施した場合の累積出産率は1992年から1998年で30.8%、1999年から2007年で42.3%でした。

また、あらゆる人が無制限に採卵ができると仮定し3回採卵をおこなった場合の累積出産率は、1992年から1998年で44.6%、1999年から2007年で57.1%でした。

そして、8回採卵をおこなった場合の累積出産率は82.4%でした。多胎妊娠率に関しては、1992年から1998年が31.9%、1999年から2007年が26.2%でした。(イギリスはほとんどが2個移植。3個移植もあり)

(解説)
いったい何回採卵すれば妊娠するのだろう?
体外受精を経験する誰もが知りたいことと思います。このイギリスの結論から、採卵3回すると57.1%、採卵8回すると82.4%が出産に至ることがわかりました。ちなみに年齢別のデータでは、1回採卵した場合の累積出産率は30歳以下:52.4%、31-35歳:50.3%、36-40歳:33.9%、41歳以上:9.8%でした。8回採卵することで80%以上が出産できることを示しています。

イギリスでは日本でいう補助金が1回目しか出ず、2回目の採卵をあきらめてしまう傾向があるようです。
日本でももっと体外受精の補助金制度を広げられれば、採卵できる機会が増え、出産を諦めなければならない人が減り、少子化対策になり得るのではないでしょうか。