ミズイロと学ぶ!移植日で産月は決められる?(後編)

ミズイロと学ぶ!移植日で産月は決められる?(後編)

前回は、胚移植日から出産予定日を予測する方法と、正期産という考え方についてお話しました。計算上は産月を見通せても、実際に赤ちゃんが生まれてくるタイミングは、お母さんと赤ちゃん双方の体の変化によって決まっていきます。
今回は、お産が始まるしくみと、「いつ産みたいか」という気持ちとの上手な付き合い方について考えてみましょう。

引用元:漫画「胚培養士ミズイロ」おかざき真里 小学館 週刊スピリッツ連載 単行本第7巻第43話より
生まれてくる日は、赤ちゃんが決める?

自然分娩の場合、正期産で生まれてくる可能性は高いですが、いつ生まれるかは、赤ちゃんとお母さんの体の状態によって決まっていきます。よく知られているサインが陣痛です。

生まれる日が近づいてくると、一般的には赤ちゃんの頭が骨盤へとおさまるようになり、胎動の感じ方が変わることがあります。その後、陣痛や破水が起こることで、母親は出産が近いことを知ります。陣痛の間隔がだんだんと短くなり、痛みとともに子宮口もだんだんと開いていき、約10センチまで開くと、赤ちゃんの動きに合わせていきんで出産を迎えます。

ただ、なかには正期産よりも早く生まれてくる子もいます。子宮内の細菌感染によって陣痛が誘発されてしまったり、子宮の出口のゆるみから開いてしまったり、双子の妊娠で子宮が抱えていられる容量を超えたりすることで、陣痛が起こることもあります。

赤ちゃんは、だいたい3000g前後で生まれてきます。双子の場合は、ふたりの合計体重になるため、多くの場合それぞれ2000~2400g前後で生まれます。

「いつ産むか」よりも大切なことも

「いつ産むか」「何歳で産みたいか」を考えることは、治療を進める上でとても大切なことです。
いつ・どのように妊娠するかを選ぶ上でも、妊活や治療のスピード感を決める上でも、ひとつの指針になります。

ただ、「何月に産みたいか」まで計画してこだわりすぎると、見えにくくなることもあります。

漫画の中では、胚培養士が、卵子から実際に移植できる胚が残るまでの過程について、

「卵子が10個得られても、受精・胚発育を経て、胚盤胞まで育つのは4個程度。そのうち、良好胚盤胞は2個ほどになることもある」

と説明しています。

そして医師は、産月を限定することについて、カップルにこう伝えます。

「理論上は可能でも、移植のチャンスを減らすことになる」

この2個で妊娠・出産が叶えばいいのですが、そうでなければ、再び採卵が必要になることもあります。
産月にこだわって移植時期をずらすことは年齢をひとつ重ねることにもつながります。

年齢やAMH値・ホルモン値、得られる胚の数、妊娠率なども含めて総合的に考えることも大切になってきます。
計画はあくまで目安として、医師とよく相談しながら進めていきましょう。

妊娠・出産は、思い通りにならないこともある

胚移植によって、妊娠することを前提に「いつ産むか」「何歳で産みたいか」を計画するわけですが、実際には自分たちが考えた通りにならないこともあります。
妊娠が成立しないこともあれば、予定日より早く生まれてくることもあります。逆に、予定日を過ぎてもなかなか生まれてこないこともあります。
妊娠は、卵子・精子・子宮内膜・ホルモン・タイミングなど、さまざまな条件が重なって成立します。そのため、医学的にある程度の予測はできても、すべてを計画通りに進められるわけではありません。そのため、医学的にある程度の予測や計画はできても、すべてをコントロールできるわけではないのです。

もちろん、「いつ産みたいか」を考えることは、とても大切なことです。
なぜなら仕事や生活、上の子との年齢差など、現実的なライフプランを考えることは、とても自然なことだからです。
ただ、妊娠や出産には予測できないこともあるからこそ、計画通りに進まなかったときに、自分たちを責めすぎないことも大切です。
そして、治療を進める中では、女性だけが抱え込むのではなく、パートナーと気持ちや考えを共有しながら進めていけるといいですね。

また、不妊原因にもよりますが、体外受精をしているからといって、自然妊娠の可能性が完全になくなるわけではありません。

ミズイロに登場したカップルも、「4月以降に生まれてほしい」と考え、移植時期を調整しようとしていました。

ところが、治療を休んでいる時期に、思いがけない出来事が起こります。
次回「ミズイロと学ぶ! 体外受精をお休みした周期に自然妊娠!のなぜ?」へ続きます。

<<ミズイロと学ぶ!移植日で産月は決められる?(前編)

次回へ続く

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