
PGTのために胚から細胞を採取し、検査へ送り出すところまで見てきました。
では、その細胞を検査すると、どのようなことがわかるのでしょうか。
PGT-Aでは、染色体の数について調べます。検査結果には、いくつかの判定があり、それぞれの胚について染色体の数を確認することができます。
また、染色体には、性別に関係するX染色体・Y染色体も含まれます。
今回は、PGTの検査でどのような情報が得られるのか、そして検査結果が胚移植を考えるときにどのように使われるのかを見ていきましょう。
参考:
PGTって、どんな胚でも検査できる?(URL)
PGTのために、細胞はどのくらい採る?(URL)
PGTの細胞は、どう管理されている?(URL)
PGTでは、何を調べている?
私たちの細胞の中には、遺伝情報をもつ「染色体」があります。
染色体は、通常、1番から22番までの常染色体と、X染色体・Y染色体からなる性染色体を合わせて、23対あります。
PGT-Aでは、染色体の数が多すぎたり、少なすぎたりしていないかを調べます。
PGTで検査しているのは、胚盤胞のTE(栄養外胚葉)から採取した一部の細胞で、ICM(内部細胞塊)の染色体の状態はわかりません。
つまり、検査したTEから、その胚の染色体の状態を知る手がかりとしているわけです。
この検査の結果から、その胚の染色体に関する情報を得て、胚移植へつなげることがPGTの目的です。
検査結果には、どんな判定がある?
PGTの検査結果には、大きく3つの判定があります。
・正倍数体:染色体の数に過不足がない
・異数体:染色体の数に過不足がある
・モザイク:染色体の数に問題がある細胞と、問題のない細胞が混ざっている
があり、このほかに、検査に必要な情報が得られず「判定不能」となる場合もあります。
性染色体も調べている?
染色体には、1番〜22番の常染色体だけでなく、X染色体・Y染色体という性染色体があります。PGTでは、これらの性染色体についても調べるため、XX(女の子)やXY(男の子)といった染色体の構成がわかります。
しかし、PGTは性別による産み分けを目的として行う検査ではないため、基本的に医療機関や患者さんに開示されることはありません。ただし、性染色体に関わる異常が見つかった場合は、開示されることになっています。
(e.g: クラインフェルター症候群(性染色体Xが多い男児:XXY)、ターナー症候群性染色体のXが1本しかない女児:XO)
検査結果を見て、移植する胚を考える
PGTの検査は、単に「検査して終わり」というものではありません。
検査結果は、どの胚を移植の対象として考えるか、また移植する胚の優先順位を検討するときの判断材料として活用されます。
移植の対象になるのは、正倍数体の胚です。異数体については、着床しにくい、または流産が起こりやすいため、移植を見送ります。ただし、モザイク胚については、染色体の状態によって移植を検討する場合があります。
モモザイク胚については、何番目の染色体に問題のない細胞と問題のある細胞が混ざっているのか、どのくらいの頻度で起こっているのかなど検査結果の内容を確認したうえで、移植を検討することがあります。
つまり、PGTの結果は「移植できる胚」と「できない胚」を単純に分けるためだけのものではありません。検査結果から得られた染色体の情報をもとに、それぞれの胚について検討し、移植する胚を考えていきます。

参考:PGT-Aの結果の解釈の仕方 現役医師が娘にもわかるように説明してみた(https://www.youtube.com/watch?v=Tgan44qvIUw)
<<ミズイロと学ぶ!採れる細胞が少ないとき、どうする?― 胚の状態を見ながら考えるバイオプシー ―
次回へ続く
【関連リンク】
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