Oak Journal Review:AMHとAFCの測定値の信頼性と両者の相関

Oak Journal Review:AMHとAFCの測定値の信頼性と両者の相関

検査部の奥平です。
4月4日に院内で開催された勉強会より、論文紹介(Oak Journal Review)の内容をお届けします。
今回ご紹介する論文は、

Reliability of AMH and AFC measurements and their correlation: a large multicenter study.
Arvis P, Rongières C, Pirrello O, Lehert P.
J Assist Reprod Genet. 2022 Mar 3. doi: 10.1007/s10815-022-02449-5.

です。

卵巣予備能(よく卵巣年齢とも言われます)とは卵巣中に残っている卵の数のことです。卵巣予備能を推定する方法はいくつかあります(動画内で紹介しています)。この中でも、卵胞内の顆粒膜細胞から分泌される抗ミュラー管ホルモン(AMH)の値、超音波での測定による卵巣上にみえる胞状卵胞の数(AFC)の2者は年齢と相関がみられ、卵巣予備能の評価によく用いられています。卵巣予備能の検査結果から、体外受精における卵巣刺激の方法や強さを決めたり、獲得できる卵の数を予測したりすることができます。
これまでにも、AMHとAFCとの関連や、卵巣予備能の評価指標としての有効性についての研究は多くなされています。また、初めての体外受精周期に入る前にAMHの検査をすることが一般的であり、多くの患者様は既にご自身のAMHの値をご存知のことと思います。

ちなみに今年の4月から始まった不妊治療の保険適用において、AMHは、調節卵巣刺激療法における治療方針の決定を目的として、6月に1回に限り保険での算定が認められています。よって、保険適用を機に体外受精を考えられている方も、今後AMHの検査を受ける機会があると思われます。
そこで今回は、AMHの説明を兼ねて、AMHとAFCの結果の分布や信頼性、年齢との関係、両者の相関を調べた論文をご紹介いたします。
詳細は動画をご覧ください。