Oak Journal Review :採卵数と胚の移植成績は、MPA法とアンタゴニスト法で有意な差はない

Oak Journal Review :採卵数と胚の移植成績は、MPA法とアンタゴニスト法で有意な差はない

こんにちは。検査部の鈴木です。
8月23日に開催いたしましたOak Journal and Case Reviewより、私がOak Journal Reviewで紹介したの論文の内容をまとめた動画を公開いたしました。
紹介した論文は、MPA法とアンタゴニスト法で採卵できた卵子の数と胚移植後の成績に差があるかランダム化比較試験により比べた

Medroxyprogesterone acetate is a useful alternative to a gonadotropin-releasing hormone antagonist in oocyte donation: a randomized, controlled trial.
Giles J, Alama P, Gamiz P, Vidal C, Badia P, Pellicer A, et al.
Fertil Steril 2021;116(2):404–12.
です。

当院では、すでに多くの患者様がMPA法を使って採卵されています。しかし、MPA法は比較的新しいプロトコールであるため、採卵できる卵子の数が減るのではないか、卵子の質が良くないのではないかなど不安を覚える患者様も少数いらっしゃるとのことです。
この論文は、卵子提供の方を対象にした研究ではありますが、採卵できた卵子の数、成熟卵子の数、提供された方の胚盤胞到達率、胚移植後の妊娠率や出生に至った割合を比較しています。ですので、今回紹介した論文は、そのようなMPA法に対する不安を払しょくするエビデンス(科学的な根拠)を提供できるのではないかと思います。
論文の解説動画は、こちらをご覧ください。

なお、MPAを使った排卵誘発法の利点については、導入時に医師の田口が記事を書いています(1)ので、そちらも併せてご参照ください。

参照
1. 新しい排卵誘発法 HMG-MPA法