新しい技法

新しい技法

理事長の中村嘉孝です。

着床前診断の会議のためにシカゴに来ています。
PGSをするようになって、IVFについて色々なことが明らかになってきました。

なにより驚異的な妊娠率を誇る数々のテクニックがデタラメであることが示されたことが、私はもっとも重要なことだと思います。
もともと染色体に問題がある胚が多数なのに、そんな数字になるはずがないのです。(形態では染色体異常はわかりません)

それほど決定的な技法であるPGSですが、有効性が明らかであればあるほど反対者が多くなり、慎重論という名の反対に苦しんでいるのは皮肉なことです。

状況はどこの国でも同じらしいのですが、幸いなことに参加者の士気は高く、関心はすでにもっと先に進んでいました。染色体に問題がない胚の着床率をさらに高めるために、当院でも採用しているERA検査や、胚のバイオプシーをしなくても培養液の中に流出したDNAを調べるなどの演題もありました。

世界中から参加者があるものの規模の小さな会議で、現代美術館(Museum of Contemporary Art)の一角のセミナー室を借りて行われています。昼休みに時間があったので、館内を見て回りました。

映像機器やPCを駆使した展示がたくさんあって、現代アートに縁のない私でも、そうした新しい技法によって新しい表現が産まれるのがよくわかりました。そして、もう一つのART(生殖補助技術)でも、もっと新しい技法を駆使していかなくてはならないと、改めて思いました。