No Border

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医師の田口早桐です。

最近、海外在住の日本人の方が、体外受精を受けに来られる例がとても、増えてきました。
理由は様々ですが、まず、アメリカなどに比べて日本のほうがはるかに安いこと、体外受精の技術レベルが高く、安心できること、もしも何らかのトラブルがあり、急遽入院や外科的処置が必要になっても、言葉が通じる、家族が近くにいる、などの安心感があること、などが主なものでしょうか。

受診に先立ってお電話をいただくことが多いのですが、直接ドクターからの説明が必要な場合は、大抵こちらからかけ直させていただくことになります。
その場合、その国との時差もあり、大変です。なので、今は非常に急いでいない限りメールでやりとりさせていただくことが、多いです。
便利な世の中になりました。

日本滞在が数ヶ月とか半年とか、長期の場合はこちらも計画が立てやすいのですが、一ヶ月とか短期の場合は、その時期に合わせて月経を調整したりと、事前に準備が必要です。
ご主人の精子の凍結も一緒にしておくことも多いです。
精子は一旦凍結しておけば、再度体外受精が必要な場合でも、ご主人の来院は必要ないので、治療がやりやすいのです。

先日も立て続けにそのような相談がありました。
今はまだ皆さん月経周期調整中で、こちらは来院をお待ちしている状態です。

滞在期間に応じていろいろやり取りするのは大変ですが、お腹に受精卵を戻した状態で帰国され、妊娠の報告を受けたりすると、充実感でいっぱいになります。
こちらとしては、技術自体は普段やっていることと変わりないのですが、一緒に行ったり来たりしている気分になるのですね。