継承

継承

理事長の中村嘉孝です。

キャサリン妃がご出産とのニュース、別に一介の日本人から御祝いされる筋合いはないかもしれませんが、とにかく、おめでとうございます。

私は7月8日から10日までESHREでロンドンに行っていたのですが、その頃から熱波が来ているとかで、ずっと暑い日が続います。陣痛で病院に入るキャサリン妃の姿をとらえようと、報道陣はその頃から、ずっとセント・メアリー病院前に詰めていたそうで、まことにご苦労様なことでした。

妊娠初期の切迫流産の折には、たちの悪いマスコミの電話に騙され、電話で病状を伝えてしまった看護師が自ら命を絶つという後味の悪い事件もありましたが、医療機関の守秘義務や報道機関の責任について、考えさせられました。

今回も、生まれてくる子が男の子か、女の子かということが大きな話題となっていました。
4月に王位継承の法律が改正され、性別にかかわらず、先に生まれた方が継承する長子優先となり、はじめてそれが適用されるかどうかということで、特に、注目されていたようです。
しかし、男の子ということは超音波検査でずいぶん前に判っていたはずですから、なんとなく、妙な感じではありました。

ESHREでは、今年も着床前診断(PGD)のセッションが盛況でしたが、ご存知の通り、着床前診断では性別もわかりますので、王室ならずとも、男の子か、女の子か、どちらの胚をETするか悩むところです。

国家に君臨する王室は、その連綿と続く系譜こそが権威の由来です。
当たり前の話ですが、人の世は、生殖で代を続けることによってしか維持されないことを、あらためて思うニュースでした。