フロリダ…その2

フロリダ…その2

医局カンファレンスです。

私も慢性子宮内膜炎について第57回米国生殖医学会で発表してきました。(概ねの内容は2011-09-18のブログで紹介しています。)

会議場は全米でも1、2を争う立派な施設だそうで、講演、シンポジウム、ポスター、展示などが多数の会場に分かれて同時進行で行われていました。

着床や子宮内膜に関する発表だけでも相当な数がありとてもすべて紹介するのは無理ですが、いくつか気になったものを挙げてみたいと思います。

  1. 「子宮内膜生検による内膜の損傷が反復着床不全患者の体外受精・胚移植の成績を改善する」
    多くの発表がありました。当院でもこれは確認されており、内膜損傷に一定の効果があることは、まず間違いないのではないでしょうか。
    内膜を採る際の患者さんの痛みを顧みてソノヒステログラム(2011-01-13ブログ参照)で損傷を試みた発表もありましたが、統計的に意味のある効果をあげることは出来なかったようです。
    現時点では、有効性を期待するには生検が必要かと考えます。
  2. 「抗生剤を予防的に胚移植前に一定期間服用すると、成績が上がるか?」
    われわれが慢性子宮内膜炎の治療に使っているのと同じ抗生剤、同じ服用期間の臨床研究があり、大変興味を持って話を聞きましたが、解釈の難しい結果でした。
    胚移植前の患者さん全員に一律使っても、期待は薄そうかなという印象です。
  3. 「さまざまな試み」
    反復着床不全患者に対して子宮内へHCGや脂質を投与するという目新しい発表がありました。
    まだ海のものとも山のものともいえませんが、何とか成績を上げようと各施設取り組んでいる様子が伺えました。斬新なアイデアが多く、今後に注目です。
    また動物での研究ですが、着床期のエストロゲン過剰状態では胚着床が起きないとする興味深い発表がありました。

米国でもカリフォルニア州などでは、日本と同じく不妊治療患者や妊婦の年齢が高くなってきているようです。
同性愛者が子供を持つ際の意識・権利についての討論もあったようで、不妊診療の多様化を感じました。