Oak Journal Review:排卵誘発方法を変えるか・変えないか、それが問題

Oak Journal Review:排卵誘発方法を変えるか・変えないか、それが問題

こんにちは。検査部の鈴木です。

4月25日に開催いたしましたOak Journal and Case Reviewにて、私が紹介した次の論文の内容を短くまとめた動画を公開いたしました。

Changing stimulation protocol on repeat conventional ovarian stimulation cycles does not lead to improved laboratory outcomes.
Wald K, Hariton E, Morris JR, Chi EA, et al.
Fertil Steril 2021;116(3):757–65.

こちらの論文では、カリフォルニア大学の生殖医療センターにて顕微授精を行った患者様を対象に、1回目と2回目で卵巣刺激の方法を変更したグループと変更しなかったグループ間で、受精率や胚盤胞到達率などを比較しています。

卵巣刺激の方法には複数の方法があります。複数の方法が併存するのは、それぞれの方法に特徴(長所・短所)があるためです。
そのため、一種類の方法をすべての患者様に適応することができず、患者様毎に合う刺激方法を選んで適用します。

しかし期待された結果が得られない場合もあります。

その場合、次周期の刺激方法はどうするのが良いのでしょうか? もう一度同じ方法で刺激をしてみた方が良いのでしょうか、それとも別の刺激方法を試す方が良いのでしょうか?

今回紹介した論文は、そのような判断の参考の一つになると考えられます。

しかし残念ながらこの研究では、どのような理由で刺激方法を変えたのかについては触れておりません。また、あくまでもこの研究を実施した医療機関での平均を比較した結果です。
そのため、この研究結果だけを基に刺激方法を変えた方が良い、変えない方が良いとは結論を出せないことに注意が必要です。

詳しい内容は、こちらの動画でご確認ください。