40代でもまだ大丈夫?

オーク会検査部です。

最近のネットニュースで、お笑い芸人の平野ノラさんの妊娠報告への反響が報道されて話題になっていました。42歳での自然妊娠ということで、「夢をありがとう」「勇気を与えそう」などと、このニュースに元気をもらった方もたくさんおられるようです。一方では、この報道に対して、高齢でも妊娠は難しくないと錯覚してしまう、と懸念するコメントもあがっています。

有名人の高齢での妊娠・出産が報道されるたびに同様のコメントが目につきますし、患者様と接する中でそういった話題が上がることがあります。実際に「この年齢(40代)でもまだ大丈夫ってことですよね!?」とおっしゃる方の中には、ネット上の反響と同じように前向きに受け止める方、懸念通りに油断してしまう方、どちらもおられるように感じます。

日本産科婦人科学会の統計を見ると、30代後半から妊娠率(青いグラフ)、出生率(緑のグラフ)が低下しているのは明らかです。

また、下のグラフはPGT-A(PGS、着床前スクリーニング:胚の染色体の数的異常を調べる検査)の結果で、海外のデータですが、30代後半から年齢が上がるにつれ染色体異常の割合が高くなっていくのが分かります。

この二つのデータが示しているのは、30代後半からは受精卵の染色体異常の割合が高くなるので妊娠が難しくなる、ということです。これは以前から言われていることなので、皆様も既に耳にタコができるくらい聞いておられますね。

ですが、ここで注目していただきたいのが、45歳以上の染色体異常の胚の割合です。グラフからは85%程度と読み取れます。そうすると正常胚の割合は15%程度です。つまり、単純に考えると、45歳以上でも胚が10個あれば1個か2個は妊娠可能な胚ということになります。
他の因子を除外して考えるなら、自然妊娠あるいはタイミング法、人工授精では通常1周期に1個排卵するので、妊娠のチャンスは年に1~2回ですね(タイミングが合わなかったり、受精しなかったり、ということもあるので実際はもっと少ないかも?)。
ART(生殖補助医療)で排卵誘発をして複数の卵子を採り、体外受精や顕微授精で確実に受精させると、得られた胚の数に応じて妊娠の可能性も高くなります。

「40代でもまだ大丈夫ってことですよね!?」に対するご回答は、個人差が大きく、結果論でしか語れないので難しいのですが、もちろん妊娠の可能性はあると考えています。
子宮は加齢の影響を受けないと言われていますし、融解胚移植関連の特殊技術も充実していますので、現時点で一番若い卵子で、つまり直近の周期で採卵して、胚を作って貯めておくのがベストかなと思いますが、いかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。