2018リカレントセミナー

2018リカレントセミナー

医師の船曳美也子です。

2018年12月16日日曜日、生殖医療補助技術者対象のリカレントセミナーで1時間の講演をさせていただきました。
タイトルは「卵子凍結の現状と課題」です。

培養士の先生方が対象のセミナーでしたが、社会的卵子凍結について、歴史や倫理的課題、そして技術的課題についてもお話させていただきました。そのなかで、興味をもっていただいたのは、slush nitrogenによる凍結方法でした。凍結技術は超急速ガラス化法が開発されたことで、卵子の生存率はきわめて高くなりました。しかし、まだ、新鮮卵子に比べると、胚盤胞到達率がやや低い現状にあり、凍結技術のさらなる向上が必要です。

今一般に凍結に使用される液体窒素は-196度。
一分間に-30,000度の冷却効果があります。
が、slush nitrogenは-210度。一分間に135,000度と、液体窒素の約5倍の速さで冷却します。

スラッシュナイトロジェン、いかにも冷たそうな響きがありますが、これは、液体窒素に減圧をかけて固体化したもの、いわばドライアイスみたいなものです。液体窒素の場合、熱の拡散率が十分高くないので、冷却しきる前に、窒素が気化し、断熱層となり冷却効果が下がってしまいます。これは「ランデンフロスト効果」と呼ばれる現象です。
スラッシュナイトロジェンではこの気化がおきずに、さらに瞬間に凍結できるというわけです。

どのようなデバイスを使用すればよいかなど、いろいろ検討事項はありますが、よりよい成績が残せるように検討を続けて行きたいと思っています。