培養室の一日

培養室の一日

検査部の西村です。

今回は患者様が普段は目にすることのない培養室の一日についてご紹介したいと思います。

培養室の一日は、その日最初に出勤したスタッフが培養器等に異常がないかチェックすることから始めます。
異常がないことが確認できると、業務スタートです。

午前中には受精確認を含む培養中の卵全てを観察し、記録を行います。その観察で凍結基準を満たした卵は凍結されます。また、その日に移植する予定の卵は朝のうちに融解します。

そして、採卵が始まると培養室に卵子を含む卵胞液が入ったチューブが運ばれてきます。この卵胞液の中から卵を見つけ、取り出します。これを検卵と言います。
検卵の際には患者様の大切な卵を取りこぼすことがないよう必ずダブルチェックを行っています。また、検卵と同時に精子の洗浄も行います。

検卵後の卵は顆粒膜細胞に覆われており、そのままでは顕微授精を行うことはできないので、顕微授精を行う卵は顆粒膜細胞をはがす作業(ヒアルロ処理と呼んでいます)を行います。
逆にコンベンショナル体外受精の場合は顆粒膜細胞が必要なので、ヒアルロ処理は行いません。
通常、これらの業務はお昼までに済ませます。

午後からは顕微授精やコンベンショナル体外受精、移植、翌日に使う培養液の準備が行われます。
また、患者様の大切な卵や精子を保存している凍結タンク内の液体窒素の残量を測ったり、患者様のデータの入力や整理を行ったりしています。

全ての業務が終了すると朝と同じように培養器のチェックをし、これで1日が終わります。

培養室では、皆様がご妊娠・ご出産できるよう、毎日細心の注意を払い業務に取り組んでいます。
また、業務終了後も各々が技術の向上を目指し、日々練習に励んでいます。