日本生殖医学会学術講演会に参加しました

日本生殖医学会学術講演会に参加しました

胚培養士の川北です。

第61回日本生殖医学会学術講演会に参加してきました。

胚盤胞は収縮運動をする、という事をご存知でしょうか?
胚盤胞は分割卵に比べて大きく広がったイメージが強いですが、胚盤胞形成後、胚は収縮運動を行います。

タイムラプスを用いた胚観察で、胚盤胞になり始めたところから胚盤胞腔の広がりが胚全体に達するまで(初期胚盤胞から完全胚盤胞まで)の間の収縮運動の回数を調べたところ、2回以上収縮運動を認めると良好胚盤胞形成率が低下するという発表がありました。

この発表以外にも、雌雄前核核膜消失直前の前核の面積差から出産に至る胚を推測した発表など、タイムラプスを用いた研究が多くされており、胚発生過程をより詳しく解析することによって胚の形態学からのアプローチとしてより良い胚選択が行えると考えられます。

タイムラプスを用いた胚観察は定点観測を繰りかえすことにより経時的変化を追う事ができます。

しかし、胚の選択を行う上で形態学的な評価だけで妊娠に結びつく胚を選択することは難しい部分もあり、染色体検査などの研究も進んでいます。

今後も様々な研究が進み、患者様により良い医療を提供できるようになればと思います。