日本生殖医学会に参加しました

日本生殖医学会に参加しました

こんにちは。検査部の垣井です。

先日、横浜みなとみらいで開催された第61回日本生殖医学会に参加してきました。

その中で、インフルエンザの罹患による精子所見の変動を調べたポスター発表があったので紹介させていただきます。

男性不妊の一番の原因として造精機能障害があります。造精機能障害とは文字通り、精巣内で「精子を造る」機能に障害がある状態で、その半数以上は原因が特定できない特発性です。発熱後一時的に造精機能が低下することはよく知られており、インフルエンザも発熱の原因の1つです。

発表ではインフルエンザの罹患前、罹患後(1~6週後)、罹患後(8~12週後)の精液所見を比較しており、インフルエンザ罹患1~6週後ではほとんどの症例において精子濃度及び精子運動率の増悪が認められました。そしてインフルエンザ罹患8~12週後に再度施行した精液検査では、インフルエンザ罹患前と同程度まで回復がみられました。
この結果から、インフルエンザ罹患後著しい造精機能低下が起こり、罹患前に回復するのに少なくとも8週間程度要することが示唆されました。

以上より、精液検査で結果不良の患者様には詳細な問診が必要であり、万が一過去8週以内にインフルエンザに罹患していれば罹患後8週以降での再検査が望ましいとの報告がありました。

これからの季節、インフルエンザをはじめとして様々なウイルス感染症が流行し始めます。
まずは感染しないよう十分な予防が必要だと思われます。
不妊治療を受けられる患者様には特に気をつけていただければと思います。