臨床エンブリオロジスト学会に参加しました

臨床エンブリオロジスト学会に参加しました

検査部の中森です。

先日、金沢市で開催された臨床エンブリオロジスト学会に参加してきました。

今回の学会のテーマは「技術の向上に限界なし」ということで、着床前診断を中心に講演会が開催されました。

着床前診断(PGD:Preimplantation Genetic Diagnosis)とは胚移植する前に、受精卵の特定の染色体や遺伝子の異常を調べることです。現在、ご夫婦のどちらかが日本産科婦人科学会の認める特定の重い遺伝性疾患をもつ場合にのみ診断が認められています。

この検査は目的疾患だけを調べるために用いられ、他の遺伝子異常を告知できません。
同様の技術で、染色体異常の有無を調べる着床前スクリーニング(PGS:Preimplantation Genetic Screening)があります。
染色体に異常が認められる場合、流産となる可能性が高まることが知られています。
PGSを行うことで移植する受精卵を選択し、流産の可能性を下げることができると考えられます。

流産は患者様への精神的負担はもちろんのこと肉体的にも大きな負担がかかります。
流産というつらい経験をされる患者様が一人でも減るようにという思いからPGSの臨床への応用が議論されています。
PGSは技術的には問題ない段階にきているので、導入に向けてガイドライン等の制定が待たれています。