ESHRE annual meeting 2014

ESHRE annual meeting 2014

医師の船曳美也子です。

今回のESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)はドイツ、ミュンヘンで行われました。

内容は、今までの発表のレビューが中心でしたが、考え方は「よりPersonarized protocolを!」です。

個人の卵胞の反応性を予測し、効率よく、しかも副作用が少ない刺激法の選び方は何か。

また、高反応の方には、OHSSをおこさない成熟法について、低反応の方には、少しでも卵胞数をふやすための補助療法について、今まである治療法の効果を判定する時期にきています。

しかし、着床においては、今までは、一律にDay5卵ならDay5に移植していたが、それでよいのか?
いや、「もちろん、着床においても、個人にあった、personarized ETが必要である」といっているのが、6月27日の田口先生のブログにもありましたスペインのProf.Carlos Simonのグループです。

着床期の内膜生検の遺伝子解析(Endometrial Receptivity Array:ERA)をすると、着床時に現われる遺伝子が普通より遅く出るグループがあるというわけです。

私は今まで、着床可能時期WOI(window of implantation)は人間に本当にあるのか懐疑的でしたが、2,500例中99.1%に検出されているようです。
症例報告もありましたが、非常にグレードのよい卵で何回も反復着床不全だった方をERAしたところ、解析の結果遅く出るタイプとわかり、Day5の凍結卵をDay7に移植することで、いきなり双胎妊娠になっていました。

これは、ぜひ当院でも採用しなければということで、現在手続きを進めています。

ところで、ドイツ人の教授いわく、ヨーロッパで一番よく働くのはどこの国かをすべてのヨーロッパの国民にアンケートすると、ほぼみなドイツと答えたそうです。
が、ギリシャだけは、最もよく働くのはギリシャだと答えたそうで、会場は大爆笑でした。
そのとき大拍手していたのは、ギリシャ人の方たちのようで、さすがに歴史のある国は懐が深いわと思った次第です。