婚外子

婚外子

理事長の中村嘉孝です。

東洋経済オンラインの記事の中で、 「今、体外受精などの不妊治療を受けている人の約9割は、10年前に子どもを作ろうとしていれば、 自然に妊娠できていたのではないか」と慶応大学の吉村教授が指摘しています。

9割という数字はともかく、実際、40才以上の「高齢」では、体外受精を繰り返すことが一般的な治療法になるため、体外受精の実施数の相当の割合が、高年齢の方で占められているのは事実です。

そして、不妊治療の現状について論じたあと、記事はこう続きます。

「少子化に悩む日本にとって、不妊は未来を左右する問題だ。
ただし、不妊治療の支援が、少子化の解決につながるとは限らない。より重要なのは、不妊治療に頼らざるをえない人を減らすことである。」

私としては、不妊治療の支援はもっとして欲しいと思いますが、まあ、一つの見識でしょうね。
ただ、その後が意味不明です。
「卵子の老化について知識を広めるべき」という主張はよいものの、なぜか、「婚外子を認めるべき」という主張になり、ついには「不妊は単なる個人の問題ではない。それは現代社会の悲鳴である。新たな不妊患者を生まなくて済むような、新しい社会システムを構築できるかどうか。日本の未来はそこに懸かっている。」と結論づけています。

シングル・マザーが子育てしやすい社会になることや、婚外子が不当な扱いを受けることのない社会となることに、私は何の反対もないですが、それとこれとは関係ないでしょう。
別に、不妊患者は国の少子化対策のために不妊治療を受けているわけではありません。

確かに、女性の高学歴化と社会進出による晩婚化が背景になっていることは間違いがありませんが、それならば、婚外子というよりも、キャリア形成と妊娠・出産との関係を考えるのが筋だと思います。

それに、そもそも卵子の老化に対しては、卵子の凍結保存という、はっきりとした技術的回答があります。
20代で凍結しておいた卵子を40代で体外受精する女性が増えることと、20代で妊娠した婚外子が増えることと、どちらが望ましい社会でしょうか。

もっとも、『東洋経済』読者の親父さんたちにとっては、気軽に婚外子ができる世の中の方がいいのでしょうが…。