経営

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理事長の中村嘉孝です。

野田総理は松下政経塾のご出身だそうですが、最近、『松下政経塾が日本をダメにした』と『松下政経塾憂論』という2冊の本を読みました。私は、成功した経営者が社会問題に発言したりすることを、あまり快く思っていません。

なぜ居酒屋チェーンの社長に、教育について説教を受けなければならないのでしょうか。所詮、経営者の視野は狭いものです。

たとえば、経営者が経済について語ると、つねに競争の話になり、特に、医療や福祉の分野は非難の対象になります。もちろん、これらの分野が非効率であることは事実ですし、今よりも競争原理を導入すべきだと私も思っています。しかし、そもそも経営と経済は別のものです。
経営学では企業と顧客の関係でしかなく、シェアを伸ばし利益を増やせばいいだけですが、経済学では生産者=労働者=消費者であり、すべては回りまわってつながっています。

「『シャキシャキ大根サラダとパリパリ皮の唐揚げ』が大好評。
今年は100店舗の新規出店を目指します」なんていう論理で、医療経済を語るのは勘弁してほしいと思います。最近は、若手の企業経営者を偶像化するような風潮がありますが、「お客さまのために、気合で勝負!」なんて感じの元気溌剌の経営者が、ブログで社会問題に意見をしたり、自分が出演する番組紹介をしたりしているのを見ると、私は少々、ゲンナリしてしまいます。

さて、先ほどの2冊の本を読んでいて面白かったのは、松下幸之助氏が入塾の条件として挙げたのが、「運が強くて、愛嬌がある人」だったということ。経営でも政治でも、成功者となるには、能力よりは、実のところ運次第で、あとは周りから好かれ、引き立ててもらえるかどうかということを、ご本人はよく分かっておられたのでしょうね。

ところで、読売テレビに関西の元気な企業を紹介する番組があります。
『BEAT~時代の鼓動』という番組なのですが、実は、先日、取材があり、明日の3月10日(土)、午前11時35分から放映されます。お時間が許せば、ぜひ、ご覧下さい。

(あっ、自分も同じことしてた…。)