マクドナルド

マクドナルド

理事長の中村嘉孝です。

マクドナルドから「学生が店内で勉強するので困る。注意して欲しい」といわれた関西学院大学が、学生にマクドナルドへの出入り禁止の通知を出したことが報道されていました。逆ねじを喰らわされた形のマクドナルドに同情的な声が多く、結局、批判を受けた大学側が、「飲食店ではマナーを守って」というように通知を変更したそうですが、私は、マクドナルドに非があると思います。

私も中学から大学まで、よくマクドナルドで勉強していましたが、あるとき店長がやってきて、いきなり「テーブルに本を広げて、何しているんだ」と言われたことがあります。

ハンバーガーを食べ終え、ドリンクを飲みながら一時間ほど試験勉強をしていたのですが、店内はガラガラですし、黙って勉強しているのに何が悪いのか、訳がわかりませんでした。
腹が立って、そう問い質したら、店長は私をニラみながら、奥に引っ込んでしまいました。

しかし、最近は店舗によっては、「勉強禁止」と書いてあります。
たしかに、混み合う時間帯に長居されるのは困るでしょうし、マナー違反だと思います。

しかし、そうであれば勉強に限ったことではありませんし、「食事を終えれば速やかに」と言えばよいだけです。一方では無線LANとコンセントが用意されていたりして、仕事をしてもよいことは明白で、メッセージが矛盾しているのです。席の造りも、宣伝も、喫茶店のように自由に時間を過ごせる所だというイメージなのに、これではダブル・スタンダードです。いくら学生だって、吉野家では勉強しません。

多分、マクドナルドの本音は、ニキビ面の学生が試験勉強しているのは絵面が悪くて気に入らないが、ビジネスマンがコンピュータを広げたり、ママ友がお喋りしたりしているのは構わないということで、一流ホテルが超高級車なら玄関前に止めさせるのというのと、同じ意識なのでしょう。
しかし、飲食業界のサービス水準をリードしてきたマクドナルドにして、このような矛盾を抱えているということは、誰からも支持されたいという建前が、対人サービスではいかに難しいかということを、如実に物語っています。

もちろん、医療で絵面がどうこうというのはあり得ませんが、医療機関も対人サービスである以上、全ての方々に受け入れていただくのは、難しい面があります。
当然、私どもも、できるだけ多くの患者さまにお越しいただきたいと思っており、実際、そう努めているのですが、医療のあり方については色々な考え方があり、お互い、受け容れがたい隔たりがある場合もあります。
それはやむをえないことですが、少なくとも、マクドナルドのように建前のメッセージでご迷惑をお掛けすることはないように、私どもの考え方については、このブログをはじめ色々な形で、正直に本音をお伝えしていければと思っております。

そういうわけで、「学生が目当てで出店しているくせに、勉強するなとは。
マクドナルドはけしからん」と怒りながら、当院の並びのマクドナルドでダブル・チーズバーガーを齧りつつ、このブログを書いているところです。