『名前にこめた想い』

『名前にこめた想い』

理事長の中村嘉孝です。

テレビを見ないので知らなかったのですが、三井住友銀行のCMが話題とのこと。
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20110216/enn1102161240006-n1.htm

気になって『名前にこめた想い』篇というのを、youtubeで視てみました。
「剛士」、「雄大」、「美咲」という三人の若者が仕事でくじけそうになりながらも、一所懸命に生きる姿に、それぞれの名前に託された親の思いを重ねて描いています。

「剛士・・・逆境でも志を強くもった男になってもらいたい。」
「雄大・・・小さなことにくよくよせず、スケールの大きな人間になれ。」

なるほど、感動的です。
桑田佳祐のボーカルが、心の琴線に触れます。
そして、「美咲・・・じぶんの信じる夢を美しく咲かせてほしい。」

え?これって、少しおかしくないでしょうか。
素直に考えて、「美しく咲く花のような女性であってほしい」というのが、名前に込められた願いではないですか。

おそらくは、差別的感情に触れることを恐れて「夢を美しく咲かせる」としたのだろうと思います。しかし、「強い志をもった人間になって欲しい」という心情と「美人であって欲しい」という心情は、本質的に何が違うのでしょう。

先日の生命倫理のセミナーでも、こんな事例のディスカッションがありました。
白人と黒人のカップルがいて、体外受精で、皮膚が白くなる遺伝子をもった胚と、皮膚が黒くなる遺伝子をもった胚ができ、どちらか一つを胚移植しようと迷っている。
カップルが暮らしている社会では黒人に対する差別があり、その結果、黒人の社会経済的地位が低く、平均寿命も短い。

さて、このカップルはどうするのが、倫理的に正しいか。
別に答えがあるわけではないですが、よろしければ、是非、考えてみてください。

ところで、私の名前は「嘉孝」ですが、さっぱり意味がわかりません。
一体、何を願ってつけたのか、両親が亡くなった今となっては謎のままです。