訓辞

訓辞

理事長の中村嘉孝です。

先日、入社式を行いました。
弊法人は職員数がさほど多いわけでもなく、経験者の途中入社が多いので、新卒者はわずかです。ですから大袈裟に思われるかもしれませんが、学業を終え、初めて社会人となる門出をお祝いするために、式をするようにしています。

ただ、いつも困るのが訓示で、社会人となる心構えを言わなければならないのですが、どこまで自分の考えを語ったものか、悩みます。
社会人がどうあるべきか、などいうのは、人それぞれで考え方が違うのに、それを諭すのが訓辞です。

さて、自分自身が受けてきた訓辞を振り返ってみると、一番記憶に残っているのは、医大の入学式での、付属病院長の訓辞でした。
内容は「趣味を持ちなさい」というもので、そもそも、そんなことを新入学生に話す意義が、さっぱりわからないのですが、「自分の周りの医者は趣味といってもゴルフとか、せいぜいカメラ」とのこと。ゴルフもカメラも立派な趣味かと思うのですが、「そんな安直な趣味ではなく、もっとよい趣味を持ちなさい」と力説しておられました。

ちなみに、その先生ご自身の趣味についても語っておられたのですが、ゴルフやカメラと一体何が違うのか、私には全く理解できませんでした。もしかしたら、私がその先生の年齢になったら理解できるのかもしれませんが、一生、訳がわからないままかも知れません。

さてそんな意味不明の訓辞ではあったのですが、「やはり、大学というところは違うなあ」と思い知らされ、結局、いまだに記憶に残っています。

今年の私の挨拶を、新入職員のみなさんがどう受け止めてくれたかわかりませんが、まあ、社会人になるということは、なぜか私のような者から意見を聞かされ、諭されなければならない。
そういう理不尽なこともあるよ、という事だけでも理解してもらえたら、と思っています。

今年は、エンブリオロジスト、検査技師の3名で、今は右も左もわからずにおりますが、近いうちに、皆さまにお目にかかることになろうかと思います。よろしく、お願い申し上げます。