きんかん

きんかん

理事長の中村嘉孝です。

先日、焼鳥屋で「きんかん」というのを食べました。
鶏のお腹の中にある、まだ卵白や殻ができていない卵だそうで、果物の金柑と見た目がそっくりだから、そう呼ばれるとのこと。あっさりとした黄身の味がして、美味しくいただきました。

さて、卵の食中毒といえばサルモネラで、殻に付着した菌が主な原因です。

しかし、中には、卵巣で卵ができる時に、すでに感染しているものがあるらしいのです。
そうなると、卵の殻を消毒しても中毒を防ぐことができません。

鶏にワクチンを打つなどの対策があるのですが、「絶対に安全」というのは無理なようです。

ユッケで4名もの方々が亡くなられるという、事件がありました。
この焼肉屋は、最初の記者会見で「生食用の肉など流通していない。店の責任で調理するのが慣例。法律で普通の精肉をユッケとして出しているのをすべて禁止すればいい。すべきだと思います。禁止していただきたいと思います。」と発言し、逆ギレと批判を浴びました。
しかし、実際の衛生管理のレベルや社長のエキセントリックな印象を別にして、この論旨自体は、その通りだとは思いました。

その後、行政が生食用肉の基準を作ることになったようですが、それでも「それを守っていれば絶対に安全か」と言われると困るでしょうね。
要するにバランスの問題で、一定の危険は受け入れるという態度が世論にないかぎり、禁止するしかなくなってしまいます。
実際、生卵についても、国によっては法律で禁止されているようです。

もっとも、生卵を食べるのは日本人くらいで、外国人は「生卵を食べる」と聞くと、気味悪そうにします。
しかし、魯山人さえも「この世でもっとも旨い」と言った卵かけご飯の味がわからないとは、誠にお気の毒なことですね。