聖夜

聖夜

理事長の中村嘉孝です。

皆さまは今年のクリスマス、いかがでしたでしょうか。私はイブに大学医局関係の忘年会があり、教授の隣の席でツーショットという、心ときめく素敵な夜を過ごしました。

クリスマスといえば、最近、『聖書男』という本を読みました。

ニューヨークで男性誌の編集をしている筆者が、一年間、聖書の教えを忠実に守ってみた記録です。筆者は、かゆみを我慢してでもひげを剃らず、「月経中の女には触れてはならない」と生理中の妻には指一本ふれません。
周囲が呆れ、時には怒るのも意に介さず、「二種の糸で織った衣服を身に着けてはならない」や「月の初めに角笛を吹き鳴らせ」など、どれほど珍妙な教えであっても、聖書を文字通りに解釈し、実行しようと努めます。

興味深かったのは、体外受精についてです。

筆者の奥さんは不妊治療中なのですが、カトリック教会が体外受精に反対しているにもかかわらず、筆者は、「聖書を字義解釈するなら(素直に読むなら)、不妊治療についてよいとも悪いとも、どこにも書かれていない」といいます。
実際、ユダヤ教ではほとんどのラビが、「体外受精に問題はない」としているそうです。
結局、聖書の教えを守っている一年の間に、奥さんは体外受精で妊娠、めでたく双子を出産しました。

さて、イブの忘年会の帰り道。タクシーに乗ると、御堂筋はイルミネーションを見にきた車で一杯でした。渋滞の列に向かって運転手がいつまでも悪態をついているので、「汝の隣人を愛せよ…」と小声でつぶやいてみたら、「えっ、何時って?まだ、9時半ですわ。」との返事。

にぎやかに煌く街に誘われて、行き先を変更。もう少し飲んでから帰ることにしました。