子宮内膜マイクロポリープ(その1)+慢性子宮内膜炎(その7)

子宮内膜マイクロポリープ(その1)+慢性子宮内膜炎(その7)

医局カンファレンスです。

慢性子宮内膜炎は自覚症状が乏しく、特徴的な兆候もないうえに血液検査では診断がつきません。子宮内膜生検と病理組織診断が必要です。「もっと簡単な検査で慢性子宮内膜炎の診断をつけることはできないのですか。」との質問を時々受けますが、残念ながらありません。

ただ、慢性子宮内膜炎の方によくみられる病変として”子宮内膜マイクロポリープ”があります。
子宮内膜マイクロポリープは、子宮鏡での注意深い観察により発見可能な非常に小さなポリープです。
私どもで調べたところ、子宮内膜マイクロポリープの60%に慢性子宮内膜炎が見つかりました。

一方で、超音波やソノヒステログラム(着床のページをご参照ください)、子宮卵管造影といった検査で、ある程度、予知ができる大型の子宮内膜マクロポリープで、慢性子宮内膜炎を合併していることは稀でした。

当院では、着床不全検査(IFCE)の結果に応じて、以下のように治療を行なっています。

  1. 子宮内膜マクロポリープ→ポリープ切除術
  2. 子宮内膜マイクロポリープ+慢性子宮内膜炎
    →抗生剤治療(多発性で小さいため手術不能です)
  3. 子宮内膜ポリープなし→着床不全検査のみ

各治療後の胚移植後妊娠成績を追跡したところ、グループ1、2、3で同等に良好な妊娠成績が得られることを、このたび欧州ヒト生殖胚学会(ESHRE)機関紙「Human Reproduction」に報告しました (Kitaya K, Tada Y, Taguchi S, Funabiki M, Hayashi T, Nakamura Y. 2012: doi: 10.1093/humrep/des323) 。

このように、ポリープの有無、そのタイプによって治療方針を選択することが肝要だということが今回の調査で明らかになりました。