国際生殖免疫学会議

国際生殖免疫学会議

医局カンファレンスです。

9月27-29日に、上海・復旦大学産婦人科教室主催の国際会議に参加してきました。

胚や胎児は、女性にとって半分は自分、半分は他人(男性パートナー由来)つまり「半自己・半非自己」という特殊な存在です。
また多くの人が「自己抗体」と呼ばれる自分の細胞に対して攻撃してしまう蛋白を持っており卵や精子の分化や成熟に影響する可能性があります。
生殖免疫学は、免疫系が卵子、精子、胚や胎児をどのように認識するかについて研究する学問です。
専門家が世界中から集まり発表、意見を交換しました。

普段接することの少ない分野の話を今回聴くことができました。
例えばインド。昨年度の統計で総人口が12.3億人を超えており、2028年までに中国を抜くだろうとのこと。
これだけでもビックリですが、さらに驚いたのが野犬の数です。
3500万頭の存在が確認されており、人に噛みついて咬傷や感染症の原因になっているそうです。

なかでも狂犬病は一旦発症すると治療法はなく、インドでは年間2万人(世界の3分の1以上)が命を落とされていることを知りました。
発症前にワクチンを接種することで予防できるため、
簡便な投与法のワクチンの開発研究が続けられているようです。

ところで、豪州からの面白い報告がありました。
精液から精子を分離除去したものを精漿(せいしょう)と呼びます。
この精漿に暴露される事によって、白血球の一種の好中球が子宮内膜や頚管内に呼び寄せられ、妊娠成立を助けるのではないかというものです。

このグループは13年前に、スペインとの共同研究で胚移植の時期に性交渉を持った群と、禁欲した群をランダム化比較試験により検討し、性交渉を持った群で臨床妊娠率が高かった、という報告を出しています。
(Tremellen KP, et al., Human Reproduction 2000;15:2653-2658)
精漿への暴露が着床によい影響を与えるのではと考え、以後も人とマウスの両方で基礎・臨床研究を行っています。

興味深い仮説ではあるのですが、出発直前にこれに関して否定的な報告がオンライン出版され、その要旨を読んでいたので、にわかには受け入れることができていません。
この論文は未入手のため、ここではこれ以上は云えませんが、いずれブログで紹介したいと思います。