
がん治療を前に知っておいてほしい。「ママになること」を諦めない方法
近年、若い世代(AYA世代:15~39歳)のがん患者が増え、「治療を受けても、将来の妊娠を諦めたくない」という声が多く聞かれます。抗がん剤や放射線治療は、がん細胞を攻撃する一方で、卵巣にもダメージを与える可能性があります。
治療によって卵巣機能が低下し、将来的に妊娠が難しくなることから注目されているのが「医学的卵子凍結」という医療です。
今回は、生殖医療の現場から「医学的卵子凍結」についてわかりやすくお伝えします。
医学的卵子凍結とは?
卵子凍結とは、卵巣から採取した卵子を凍結保存し、将来、体外受精によって妊娠し、赤ちゃんを授かることを目的としています。
「医学的卵子凍結」は、がんなどの治療によって卵巣機能が低下する可能性がある場合に、抗がん剤治療前に卵子を凍結保存する医療技術です。
つまり、「将来の妊娠の可能性を残すための医療」「将来、赤ちゃんを授かることを諦めないための医療」です。
おおむね16歳以上で、抗がん剤や放射線治療を始める前に行うことで、将来の妊娠への希望をつなげることができます。
また、「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」にて公的扶助を受けられるケースもあります。
詳しくは、住民票のある自治体のサイトや広報誌などでご確認ください。
社会的卵子凍結について:参考にお読みください。
卵子凍結について
https://www.oakclinic-group.com/cp_oocyte/
ミズイロと学ぶ!‒ 第4話 45歳の卵子と若い時に凍結した卵子、その違いは?(その1)
https://www.oakclinic-group.com/blog/2025/09/22/learn-with-mizuiro-episode4-part1/
ミズイロと学ぶ!‒ 第4話 45歳の卵子と若い時に凍結した卵子、その違いは?(その2)
https://www.oakclinic-group.com/blog/2025/10/09/learn-with-mizuiro-episode4-part2/
なぜ、抗がん剤治療の前に行うの?
抗がん剤や放射線治療は、がん細胞を攻撃する一方で、卵巣や卵子にも影響を及ぼします。
その結果、卵巣機能が低下したり、閉経が早まることもあります。
一度低下した卵巣機能を回復させることは難しく、失われた卵子を再生することもできません。
だからこそ、がん治療を始める前に卵子を凍結しておくことが大切です。
治療を優先しながらも、将来の妊娠への希望をつなぐことができます。
抗がん剤は卵巣にも影響する?
がん治療は、命を守るために最優先される医療です。
医学的卵子凍結は、「治療を受けるか」「将来の妊娠を諦めるか」という二択にしないための医療です。
がん治療と並行して行うことで、将来の妊娠の可能性を残すことを目的としています。

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第6話(その2)へ続く
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