乳がんサバイバーが凍結胚移植で50歳にて出産した症例について

先日のIFFS(国際生殖医学会)にて、当院から乳がん罹患後に妊娠・出産された患者さんの症例を発表してきました。
この患者さんは、乳がん罹患前に体外受精で凍結胚を保存されており、治療後、50歳でその胚を用いて妊娠・出産に至ったケースです。これは「がんと妊孕性温存」の重要性を示す、非常に示唆に富んだ症例だと思います。
当院は妊孕性温存のネットワーク登録施設であり、AYA世代(15〜39歳)を中心に、卵子や精子の凍結に関する相談・処置が増えています。しかし実際にがんに罹患する年齢は、それより上の世代が多いのも事実です。また、30〜40代で不妊治療を行っている方が治療中にがんに罹患することもあります。
そのような場合でも、あらかじめ凍結胚を確保しておくことで、治療後に妊娠・出産の可能性を残すことができます。不妊治療とがん治療の両立は決して簡単ではありませんが、「いのち」と「未来」の両方を大切にする選択肢があることを、より多くの方に知っていただきたいと思います。
がんと診断されたとき、「もう子どもはあきらめるしかない」と思い込んでしまう方も少なくありません。しかし、妊孕性温存という考え方が広がりつつあり、実際に妊娠・出産に至った方の事例も増えています。
これからも、当院ではがん治療と生殖医療の連携を強め、患者さま一人ひとりの人生設計に寄り添った医療を提供していきたいと考えています。
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