Googleの口コミ~保険凍結胚のグレードについて

Googleの口コミ~保険凍結胚のグレードについて

まず、同じ話の繰り返しになりますが、Googleへの書き込みについては当院では対応いたしません。中には通院しながら書き込みをされている方もおられますが、当院ではクレーム窓口に直接ご連絡いただければ、事実関係の確認と対処を可及的速やかに行っております。毎回のアンケート、ヘルプセンターへの電話、メールをご利用下さい

さて、一つ問題提起となる書き込みがあったのでご紹介します。

「他の病院では凍結すらしないグレードの胚をこちらでは移植し、保険の回数を消費されます。病院によって判断基準は異なるかと思いますが、移植しても妊娠する確率が限りなく低い胚を移植することで保険の回数を消化されてしまってすごく悔しいです。」

という内容です。これについて、何が問題なのかよくわからない方もおられると思いますので、ご説明を差し上げます。

まず、グレーディングは客観基準で行うものではありますが、ご指摘のように施設によって、あるいは培養士によって判断が異なる場合があるのは事実です。

患者様のお声や他院での勤務経験のある培養士の意見を聞く限り、当院は少し厳しめにグレーディングを行っているように思っています。
(尚、グレードと優先順位の問題は説明に紙幅を要するので、あらためてさせて下さい。)

次に、保険制度についてです。「凍結保存胚があると次の採卵ができない」というのは間違いないですが、「一旦保存したら絶対に使わなければならない」ということではありません。

保険制度には欠陥も多く、解釈も不明瞭です。疑義が生じるたびに当院では所轄である関東信越厚生局、近畿厚生局に対して照会を行っています。もちろん、できるかぎり患者様の有利となる解釈が可能となるように、細かい条件を確認しています。
(これらについては曲解、誤解によって保険の不適正な利用を促すことになる恐れもあり、公表していません。ご諒承下さい。)

では、ここから本題です。保険の根本的問題は、採卵を繰り返させないようにいわゆる「貯胚」を認めていないことです。しかし、グレードに満足できずに全部廃棄したけど、次の採卵ではもっとグレードの低い胚ばかりだったということもあります。「廃棄しなければよかった」と思うけれど、では今回の胚についてはどうなのか。もしかしたら、次はもっとグレードが低いかも知れない。そう、思うと身動きがつかなくなりますね。

実はこれには、数学的な答えがあるのです。

ハンナ・フライという女性数学者が『恋愛を数学する』という本で書いているのですが、何番目の恋人と結婚するのがベストかを数学的に考える方法があります。

婚活期間に付き合う人数を想定し、最初の37%の人とはとりあえず別れ、それ以降に出会った人の中で、最初の37%の中で一番良かった人より良い人が出た時点で結婚する

「最適停止問題」と言われ、詳細はネットに色々あるのでご覧下さい。(※下記は外部リンクです)

もちろん、胚の場合では若干、前提条件がことなっていて、グレーディングには上限があります。また、一採卵あたりの胚は複数なので、一番良いグレードの胚を対象とするのか全体(コホート)で考えるかなど、より複雑な数学的処理が必要になってきます。

採卵可能な回数や期間など仮定を含むので、実際に計算するのが現実的かはともかく、問題の本質はここです。

少なくとも、このイメージを持ちながら診療の場で胚の選択をしていくのが、保険の場合は最適な形であろうと当院では考えています。

ご参考まで。


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