Oak Journal Review :融解胚移植の時期による移植成績の比較

Oak Journal Review :融解胚移植の時期による移植成績の比較

こんにちは。検査部の鈴木です。
今回の動画では、8月16日に開催いたしましたOak Journal and Case Reviewより、私が紹介したOak Journal Reviewの内容をお届けします。
紹介した論文は、凍結融解胚移植で採卵の次周期に移植する場合と1周期以上待ってから移植する場合で成績を比較した

Immediate versus delayed frozen embryo transfer in patients following a stimulated IVF cycle: a randomised controlled trial.
Li H, Sun X, Yang J, Li L, Zhang W, Lu X, et al.
Hum Reprod 2021;36(7):1832–40.
です。

現在の体外受精では、体外で受精させ作成した胚を凍結し、採卵とは別の生理周期に融解して子宮に戻す凍結融解胚移植が主流となっています。これは新鮮胚移植に比べて妊娠率が凍結融解胚移植の方が高いためです。
では、その別の周期というのは、どの周期、言い換えるとどのくらい待ってから移植をするのが、一番成績が良いのでしょうか? 今回紹介した論文は、その疑問に答えを出すことを目的とした研究の報告です。

この論文では、採卵の次周期に融解胚移植をした結果と、1周期以上お休みしてから融解胚移植をした結果を比較しています。採卵の次周期に移植した方が成績は良いのでしょうか?それとも、1周期お休みしてから移植した方が結果は良いのでしょうか?または差が無い?
論文の結果は、動画でご確認ください。

なお、凍結保存している胚自体は、保管期間が長くなることによる影響はありません。凍結した時の状態を何年でも保つことができますので、妊娠された後も次のお子様の時まで何年でも凍結保管しておくことが可能です。