保険診療のルールについて知っておいていただきたいこと

医師の田口早桐です。

「毎月高い保険料を払っているのだからできるだけ保険を使ってほしい。」というお気持ちはよく分かります。我々も、受診される方の負担をできるだけ少なくしたいという思いでおります。

医療者側としては、保険診療を行うためのルールがあり、保険請求できる項目と出来ない項目があります。請求するに際しての条件も細かく決められています。これは、医療費の7割程度が税金でまかなわれる以上、厚生労働省中央社会保険医療協議会によって、公平を期するために定められたものであるので、当院としては、特に異を唱えるところではありません。

患者さんの訴えの内容や所見記載の内容の記載が少し違えば、「保険の不正請求」と判断されますので、保険請求可能な症状、診断が得られない場合は保険にての算定はできません。

一般不妊治療(タイミング法や人工授精の周期)に関しては、とくに保険算定のルールが曖昧であり、保険算定できるものと自費でなければ認められないものが混在しています。さらに2年毎の改定で、算定ルールも変わります。

曖昧なものに関しては、当院独自で診療報酬支払基金等に問い合わせを行い、確認の上で可能であれば保険で請求させていただきますが、もし患者さまが納得いかない場合は、患者さまご自身で電話等で確認いただくことをお願いします。承認した担当部署、担当者が明らかな場合のみ、算定することが可能です。

一般不妊診療におけるルールの一部を例示します。

排卵誘発剤使用時は投与後の卵の成熟度検査として1周期に3回程度とする。またHCG注射のみ使用の場合は2回まで。(産婦人科社会保険診療要覧 令和2年6月版p.105~106)

LH定性(尿)は排卵時期の決定のために1日2回1周期6回まで認められる。持ち帰り自己判断での算定は認められない。(産婦人科社会保険診療要覧 令和2年6月版p.101)