第20回日本IVF学会に参加しました

こんにちは。培養士の石川です。

先日、宮城県仙台市で開催された、第20回日本IVF学会に参加してきました。
同日、仙台では東北復興マラソンが行われ、東北・宮城のグルメも食べられるとのことだったので大変にぎわっていました。

学会では多くの講演がありましたが、「未成熟卵子由来の顕微授精-凍結胚移植-妊娠流産率と成熟卵子由来の顕微授精-凍結胚移植-妊娠流産率の比較」についての調査に興味を持ったので紹介します。

通常成熟した卵子(MⅡ卵)は卵子と透明帯の間に極体という小さな細胞が存在します。
極体が認められない未成熟卵にはGV期、MⅠ期と2段階あり、GV卵は卵子の中に大きな核が見える状態です。
MⅠ期はGV期のような核は卵子内には確認できず、極体も放出されていない状態で成熟卵(MⅡ期)の手前の状態です。

通常未成熟な卵に顕微授精しても受精しません。というのもMⅡ期の極体は細胞分裂の際に、余剰な染色体が細胞外に放出されたものです。そのため未成熟の卵は余分な染色体が含まれているので染色体の数が多いため正常受精しません。

採卵時、発育が不十分な卵胞も穿刺するため、獲得卵子の5~10%でGV期卵が得られます。
この発表では採卵時に成熟度がはっきり判定できたGV期、MⅡ期に対して受精率、凍結率、妊娠率を比較検討していました。

結果、GV期で成熟率は70.1%、正常受精率は73.1%、良好胚凍結率22.5%であったのに対して、採卵時MⅡ期の正常受精率79.4%、良好胚凍結率57.1%でした。正常受精率及び良好胚凍結率はともにIVM-ICSIはMⅡ由来のものより受精率、凍結率は低下しますが、GV期は本来受精しないので受精率も凍結率も本来よりも上がっています。

また、凍結胚移植ではGV卵子由来胚盤胞移植の着床率は68.7%、臨床妊娠率胎嚢が確認できた妊娠50%、流産率8.3%であった。それに対しMⅡ期由来胚盤胞移植は着床率62.7%、臨床妊娠率(胎嚢が確認できた妊娠)59.8%、流産率17.2%で妊娠率及び流産率に有意な差は見られないとのことでした。

つまり、GV卵子由来の体外成熟培養-顕微授精は成熟卵子由来の顕微授精よりは受精、凍結率は低下するが、凍結胚移植に関しては成熟卵子由来と妊娠、流産率は変わらないとのことです。
当院では採卵時GV期だけではなく、顕微授精をする直前のMⅠ期、GV期ともにレスキューIVMを行うことができるので、少しでも多くの妊娠の可能性がある卵を凍結し、患者様のご妊娠、ご出産の近道になればと思います。