
生命科学を少しでも齧ったことのある方はご存知でしょうが、in vivo、in vitroという用語があります。
in vivoというのは生体内で起きる生命現象のことで、in vitroというのは試験管内、つまり実験環境で起きる現象のこと。
例えば薬を開発する時に、in vitroで培養中の細胞に効くかどうかを見て、効果が確認できたらin vivoの試験に移るということをします。
そして、最近ではin silicoというのがあります。半導体のシリコンから来ていて、コンピュータシミュレーションによる生命科学のこと。
遺伝の分野ではbioinfomaticsと呼ばれる塩基配列解析のIT技術が急速に発展していますが、そこで決まったDNAの配列からどのようにタンパク質ができてくるのか、in silicoの研究もまた猛烈な勢いで進歩しています。
一番、有名なのはGoogleの研究チームが開発したAlphaFoldというAIソフトウェアですね。
病気を起こすことがはっきりしている場合はいいのですが、遺伝子変異の多くは病原性がどこまであるのかよくわからない。そんな時、その遺伝子から作られるタンパク質がどんな形になるのか、正常より大きく形が変わるのか、それともほとんど同じ形なのかをシミュレーションすることで病原性を推定するといったことが行われるようになってきています。
妊娠前のカップルの遺伝子検査によって、子どもに遺伝疾患が発症する可能性をチェックするキャリア・スクリーニングという検査があります。
オーク会はこの検査を国内で初めて導入して以来、現在まで症例を重ねて来ました。当初はまだ世界的にも議論が分かれていましたが、現在、米国医学遺伝学会などは、この検査をすべてのカップルに推奨するようになっています。
ただ、この検査でも一番問題になってくるのは、病原性がはっきりしない遺伝子変異の組み合わせですが、コンピュータ科学によって日々、診断精度が向上していることは間違いありません。
さて、in vitro fertilizationというのは体外受精のことですが、私はこのキャリアスクリーニングを構成するコンピュータ科学をin silico fertilizationと呼びたいと思います。
実際に妊娠する前に、受精卵の色々な遺伝状態をPC上でシミュレーションする。
もしかして、この命名は誰も思いついていないに違いない。
急いで、世界に先駆けて発表しなくてはと震える指でググったら、色んな人が色んなことをin silico fertilizationと勝手に名付けていました。
あのね、何でも新しい名前をつけたらいいってもんじゃないんです!
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