
最近、妊婦さんの間で話題になっている「cbNIPT(シービー・エヌアイピーティー)」という新しい検査をご存じですか?
これは、これまでの「NIPT(エヌアイピーティー)」をさらに進化させた、“次世代の出生前検査” として注目されています。
今回は、従来のNIPTとcbNIPTの違いや、それぞれの特徴・メリット・今後の展望を、できるだけわかりやすくご紹介します。
◆ NIPT(エヌアイピーティー)とは?
NIPTは、妊婦さんの血液中に含まれる胎児のDNAの一部(断片)を調べることで、 赤ちゃんに染色体の異常がある可能性を調べる検査です。
採血だけで行えるため、お母さんにも赤ちゃんにも安全(非侵襲的)で、 ダウン症候群(21トリソミー)などを高い精度でスクリーニングできるのが特徴です。
◆ cbNIPTとは? 従来との違い
これまでのNIPTは「胎児のDNAのかけら(cfDNA)」を分析していました。
それに対してcbNIPTは、母体の血液中にごくわずかに存在する胎児の“細胞そのもの”を分離して調べます。つまり、赤ちゃんの細胞を直接調べる検査なのです。
そのため、cbNIPTでは従来のNIPTよりもずっと詳しい遺伝情報を得ることができ、将来的には「血液だけで診断に近い精度を出せる」可能性があるといわれています。
◆ 検査の精度
従来のNIPTも非常に高精度で、ダウン症候群(21トリソミー) は 感度 約99%、18・13トリソミー は 感度 約98〜99%と、ほとんど見逃しがないレベルです。一方で、ごくまれな遺伝子の欠失(微小欠失)などは苦手とされており、正確に判定できないこともあります。
cbNIPTは胎児の細胞を直接解析できるため、理論的には「診断と同じレベルの正確さ」が期待できます。実際、海外の研究では、主要な染色体異常をすべて正確に検出(感度・特異度100%)できたとの報告もあります。まだ研究段階ではありますが、“より正確で詳しいNIPT”としての可能性が見えてきています。
◆ 検出できる病気の範囲
従来のNIPTでは主に、染色体異常:ダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミー、性染色体の異常(例:ターナー症候群など)が対象です。
cbNIPTでは、これに加えて、微小欠失症候群(例:22q11.2欠失症候群)や単一遺伝子疾患(例:嚢胞性線維症、筋ジストロフィーなど)まで、より幅広い異常を一度の検査で調べられる可能性があります。つまり、将来的には「ひとつの検査で、より多くの遺伝的なリスクを確認できる」ようになるかもしれません。
◆ 費用と今後の課題
日本では現在、NIPTは自費診療で行われており、費用は10万円〜20万円ほどかかります。cbNIPTはまだ研究段階で、設備や技術にコストがかかるため、さらに高額になる可能性があります。
ただし、近年は検査の自動化技術が進み、海外では「従来のNIPTと同等の価格帯」で提供を目指す動きもあります。実用化が進めば、より手軽で精度の高い検査として普及していくことが期待されます。
ART ASRM Cell誌 COVID-19 DNA IFFS2025 IVF Nature誌 PGT-A X染色体 Y染色体 おかざき真里 がん オーク会 ゲノム ジネコ タイムラプス培養 ダウン症候群 プレコンセプションケア ミズイロ 不妊治療 不育症 体外受精 保険適用 個別化医療 副作用 医療法人オーク会 卵子凍結 培養士 妊娠 妊娠率 子宮内膜ポリープ 子宮内膜症 新生突然変異 染色体検査 染色体異常 流産 生殖医療 着床率 細径子宮鏡 胚培養士 遺伝カウンセリング 遺伝子 遺伝的多様性 遺伝的要因