
タイムラプスインキュベーターという言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
近年、卵子と精子の受精から胚盤胞形成まで、タイムラプスインキュベーター(先進医療の一つ)を用いて培養することが多くなっています。
今回は、このタイムラプスインキュベーターについてご紹介します。
タイムラプスインキュベーターとは―体外受精で使われる培養方法―
タイムラプスインキュベーターでは、受精から胚盤胞まで発育する期間、インキュベーターから取り出すことなく培養・観察することができます。
通常のインキュベーターは、受精の確認、胚発育の確認・観察は、インキュベーターから出して顕微鏡で観察し、評価することが必要でした。しかし、タイムラプスインキュベーターは、内蔵されたカメラで胚を一定間隔で撮影し、その画像を連続的に記録することで動画のように胚の発育を観察・評価することができます。
体外受精の保険診療においては、タイムラプスインキュベーターは先進医療として位置づけられています。
タイムラプスインキュベーターのメリット―胚培養でできること―
1.安定した環境のまま、培養し、見守ることができる
胚をインキュベーターから出し入れする必要がないため、温度や空気環境の変化による影響や余計な刺激を最小限にした環境で培養できます。
2.胚の発育の過程を、あとから振り返って確認できる
タイムラプスでは、胚の成長を時間の流れとして記録します。
そのため、気になる変化があった場合でも、「いつ・どのように起こったのか」をさかのぼって確認することもできます。
3.一瞬ではなく、「成長の流れ」で評価できる
決められた時間に観察するのではなく、成長のスピードや途中経過を含めて評価の参考にできるため、より多くの情報をもとに胚の状態を把握できます。
4.どの胚を優先して移植するかを考える際の参考になる
タイムラプスで得られた情報は、培養士や医師が胚の状態を評価する際の判断材料の一つになります。
タイムラプスインキュベーターのデメリットと注意点
1.使えば必ず妊娠につながるわけではない
タイムラプスインキュベーターは、胚の発育をより詳しく観察するための技術です。
そのため、使用したからといって培養成績が著しく向上したり、妊娠を保証するものではありません。
2.追加費用がかかる
体外受精の保険診療では、タイムラプスインキュベーターは先進医療に分類されます。
そのため、タイムラプスインキュベーターを用いた分は、保険が適用されず自己負担が生じます。
3.期待が大きくなりすぎてしまうことがある
詳しく観察できる分、「これならうまくいくのでは」と期待が大きくなりすぎてしまうことがあります。
タイムラプスは、治療を支える選択肢の一つであることを知っておくことが大切です。
タイムラプスインキュベーターでわかること―胚の発育と成長の過程―

タイムラプスインキュベーターでは、胚がどのようなスピードで、どのように発育していくかを時間の経過とともに確認・観察できます。
例えば、
● 細胞分裂がスムーズに進んでいるか
● 途中で止まってしまっていないか
● 一時的な変化が、その後どう影響するか
といった点を確認・観察できます。
一瞬だけを見るのではなく、「発育の過程」を追えることが、従来のインキュベーターとの大きな違いです。
<<ミズイロと学ぶ!– 第13話 胚は、どう発育するの?(その2)
第14話(その2)へ続く
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