妊娠中の抗うつ薬「SSRI」は安全?

妊娠中の抗うつ薬「SSRI」は安全?

妊娠中に抗うつ薬を服用しても大丈夫なのか――
最近、アメリカでこのテーマをめぐる議論が活発になっています。

特に注目されているのは、「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」という薬です。 これはうつ病や不安障害の治療に使われる薬で、比較的副作用が少ないため、広く処方されています。

現代では、女性、とくに妊娠可能年齢層の方々に処方されるケースが非常に多く、身近な薬となっています。
だからこそ、「妊娠中の服用」が胎児に影響を与える可能性があるという議論には、大きな関心が寄せられています。

2025年7月、アメリカFDA(食品医薬品局)は、「妊娠中のSSRI使用が胎児に与える影響」について、専門家によるパネルディスカッションを開催しました。

この中で紹介されたのが以下の研究です:

Prenatal SSRI exposure alters fear circuitry and behavior in humans and mice(Nature姉妹誌)※外部リンク
 → マウスと人間の双方において、胎児期のSSRI曝露が脳の「恐怖回路」に影響を与える可能性を示唆。

JAMA News: FDA Panel Discusses SSRIs in Pregnancy※外部リンク
→ 自閉症や神経発達障害のリスクが「わずかに上昇する可能性」があると報告する研究もありますが、因果関係はまだ確定していません。

これに対して、アメリカの産婦人科医会(ACOG)や精神医学会などは、「うつや不安を治療しないまま妊娠生活を送ることの方がリスクが大きい」との見解を表明しました。

ACOG公式声明(※外部リンク)
https://www.acog.org/news/news-releases/2025/07/statement-on-benefit-of-access-to-ssris-during-pregnancy
 → 治療されないうつ病は、早産・育児への支障・妊婦本人の健康リスク(自殺を含む)などに深く関わります。

この議論は、今後日本にも波及していく可能性があります。
日本産科婦人科学会(JSOG)や日本生殖医学会(JSRM)がどのような方針を打ち出すか、注目されます。

私たちオーク会は、「心のケアを含めたハートフルな医療」を実践しています。
妊娠中のメンタルヘルスは、赤ちゃんの健康と同じくらい大切だと考えています。

科学的な知見をふまえながら、妊婦さんが安心して判断できるようサポートすることが、私たちの役割です。
今後も、こうした最新の医療トピックに敏感に反応し、適切な情報をお届けしてまいります。


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