
まず、繰り返しになりますが、Googleの口コミについては先般、削除命令の判決が出たように異様な状況にあります。
一方で「サクラ」の投稿をする業者があり、数百という驚くべき数の素晴らしい投稿がなされている医療機関もあります。
Googleには一応、「ビジネスオーナー」として返答できる機能がありますが、そもそも事実関係が特定できず、また口を極めた投稿に返答するのも大人げないので控えております。
私どもでは、毎回の診察の度にアンケートをお願いし、また、ヘルプセンターで電話、メールでお受けし、具体的に診療内容を特定、検討した上で、医師、看護師、培養士、医療事務にフィードバックしています。
さて、前置きが長くなりましたが、Googleに流産処置後の出血への対応についてご批判を頂きましたので、当院の考え方をこのブログで説明します。
最近、次の二つのトレンドがあり問題がより複雑になっています。
一つは手動吸引法(MVA)と経口中絶薬(メフィーゴ)の登場です。
吸引が掻把より安全であるのは間違いないですが、だからといって手動の吸引が機械の吸引より安全という意味ではありません。吸引であれば、どちらでも安全性は変わらない。しかし、いつの間にか話がすり替わりMVAこそが「正しい」やり方だとネットで見られた方が、MVAを指定で受診されることが多くなっています。また、人工妊娠中絶もメフィーゴを指定でお越しになります。
どちらも特に悪い治療法というわけではないのですが、絨毛が残りやすく、結果、出血も長引くのは当然のことです。
次に絨毛遺残に対する対応です。昔からいくらでもある状態ですが、最近、なぜかRPOCという名前がついています。
そして、子宮の動脈にカテーテルを入れて塞栓術をする(IVR)という治療法が「流行り」になっています。
適応についてはあまりにテクニカルな話になるので割愛しますが、なにより不思議なのは、これまで絨毛遺残などいくらでもありました。それほど緊急性を要し、大変な手技をしなければならない症例が、急に増えたということでしょうか?
常識で考えると、おかしいですよね。
オーク会はRPOCについて、循環動態が安定し、感染がなく、絨毛性疾患でない限り、待機療法を原則としています。
妊娠糖尿病(GDM)へのインスリン投与、高TSH血症への甲状腺ホルモン投与など、他にも大げさな治療が、エビデンスの一言で当然のように行われます。しかし、この「エビデンス」こそが曲者で、エビデンスなのに変わるのです。
医療はあまりに細かく専門分化されており、その分野の専門家には反論しようがありません。
しかし、専門家というのは得てして視野が狭く、どうでもよいことを大げさに言い立てます。
はっきり言うと、確信犯で目がイッてしまっているような医師の方が患者を集め、学会にもマスコミにも取り上げられ、その治療法がネットに広がるのです。
ただ、そのような医師がいなければ医療の発展がないのも事実です。新しい治療法が次々と提唱され、最初はもてはやされても大半がいつの間にか姿を消す。その中で本当に意味のある治療法が残っていくことでしか、医療は発展しない。
たとえば、RPOCを理由に次々とIVRをするのは、大学病院などではある意味、当然のことでもあるのです。
その矛盾の中でオーク会としてどう振舞うべきか、私たちは一貫した姿勢を持っているつもりです。
新規の治療法の採択は、侵襲性の程度と、非医学的効用を考慮しながら、保守的に対応する。
要するに、危険性が高いことや、患者様の金銭的・時間的負担が大きいことであれば、有効と確信できるまでやらない。
情報が氾濫していて、皆さん色々惑わされることがあるのはよくわかります。これについては正直、私もどうしたらいいのか、わからない。流行りのAIに聞いてみても、ネットの情報を学習しているから同じことでしょう。
最後は私たちがどれだけ信頼してもらえるか、ということに尽きますので、今回の反省点とすればそれが足りなかったのであろうと思っています。
話は変わりますが、少し前にトースターを買いました。ネットで色々調べていたら、焦げずにキツネ色に焼け、中の水分を逃がさないのが優れたトースターらしい。遠赤外線とか、スチームとか色々な機能がついたトースターがあって、頑張って調べていたのですが、やらせの評価サイトとかも多く、すっかり面倒になり、昔ながらの飛び出すトースターを買いました。
少し焦げるのですが、結局、私はその方が好きなので気に入ってます。
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