時代は“ウルトラパワフル”ゲノム編集治療へ 〜CRISPRが描く新しい医療の未来〜

時代は“ウルトラパワフル”ゲノム編集治療へ 〜CRISPRが描く新しい医療の未来〜

今回は、Nature誌に掲載された非常にインパクトのある最新ニュースをご紹介します。
 まさに“漫画を超える現実”が、医療の世界で始まりました。

世界初、ヒトへの「プライム編集」治療が実施!

CRISPR(クリスパー)技術といえば、いまや誰もが一度は耳にしたことがあるゲノム編集技術。その中でも、最も精密で応用範囲の広い「プライム編集(prime editing)」という手法が、ついに人間の治療に使われました。

今回治療対象となったのは、慢性肉芽腫症(CGD)という、免疫不全を引き起こす難病を抱える10代の若者。遺伝子の突然変異をピンポイントで修正し、細胞の機能回復を目指す前代未聞のアプローチです。

実はこの手法、2023年にBlood誌(IF17.5)において、マウスを用いた研究が報告されたばかり。そこからわずか1年でヒトへの応用にこぎつけたのです。このスピード感、まさに“ウルトラパワフル”!

倫理の壁を越える、新たなゲノム医療

10年前までは、「受精卵のゲノム編集」が未来の医療として語られていました。しかし、それには倫理的な壁(多世代にわたる影響、国際的な規制など)が高く、実用化は進んでいません。

ところが今回のように、生まれた後に体細胞の遺伝子を直接修復する手法であれば、倫理的な障壁も相対的に低く、患者さんに直接的なベネフィットを与えることが可能です。

この変化は、PGT(着床前遺伝子検査)、特に**niPGT-A(非侵襲的PGT-A)**の今後の立ち位置にも影響を与えるかもしれません。

これからの10年がすべてを変える

ゲノム医療の“Nextステージ”が今まさに始まりました。
 PGT-Aの意義や立ち位置も再定義される時代が、静かに、でも確実にやってきています。

これからの10年、医療はどう進化するのでしょうか?
 私たちは、その最前線を見守り、皆さんとともに考えていきたいと思います。


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