Oak Journal Review:胚移植をやり直した場合の妊娠成績について

Oak Journal Review:胚移植をやり直した場合の妊娠成績について

検査部の奥平です。

5月16日に院内で開催された勉強会より、論文紹介(Oak Journal Review)の内容をお届けします。

今回ご紹介する論文は、

Effects of embryo retention during embryo transfer on IVF outcomes.

Kadour-Peero E, Tulandi T, Feferkorn I, Hiszkiahu R, Buckett W.

J Assist Reprod Genet. 2022 May;39(5):1065-1068. doi: 10.1007/s10815-022-02450-y.

です。

胚移植後、移植用カテーテル内に胚が残っていないかどうかを顕微鏡下で必ず確認しています。その際、子宮内に注入したはずの胚がカテーテル内に残っている(戻ってしまっている)ことが稀に起こります。英語ではこのことをEmbryo Retention(ER)と表現しています。過去の報告では、移植時のER発生率は1~8%と言われていますが、さすがに8%は高過ぎではないでしょうか(ちなみに当院での発生率は1%程度と低い部類に入ります)。ERについては、移植方法の工夫や技術の研鑽によって、その発生を低く抑える努力はできます。しかしながら、どんなに経験豊富な術者であっても起こり得ることであり、発生を0にすることは不可能と考えられています。もしERが起こってしまった場合、唯一の対応措置は胚移植をやり直すことです。また、ERの発生は、患者様と術者双方に大きな不安とストレスを与えてしまいます。そして、着床や妊娠への悪影響があるのではないかと大変心配されると思われます。

そこで本論文では、大規模なデータを用いて、ERの発生率と移植のやり直しによる妊娠成績への影響について検討しています。

詳細は動画をご覧ください。