子宮内膜症と妊娠および胎児、新生児との関係

子宮内膜症と妊娠および胎児、新生児との関係

医局カンファレンスです。

子宮内膜症と妊娠および胎児、新生児との関係についてのメタアナリシスを紹介します。(Human Reprod 2018;33:1854-1865)

1990年から2017年までの子宮内膜症と妊娠についての33の論文を解析しています。

子宮内膜症がある人は

① 妊娠高血圧腎症1.18倍
② 妊娠高血圧症1.21倍
③ 妊娠糖尿病1.26倍
④ 妊娠性胆汁うっ滞4.87倍
⑤ 前置胎盤3.31倍
⑥ 分娩前の異常出血1.69倍
⑦ 妊娠中の入院3.18倍
⑧ 胎位異常1.71倍
⑨ 難産1.45倍
⑩ 帝王切開1.86倍
⑪ 37週以前の破水2.33倍
⑫ 早産1.7倍
⑬ 子宮内胎児発育遅延1.28倍
⑭ NICU入院1.39倍
⑮ 胎児死亡1.29倍
⑯ 新生児死亡1.78倍

でした。

また、それぞれ、自然妊娠か体外受精かにわけた解析では、自然妊娠では前置胎盤、帝王切開、早産、低出生体重児、体外受精では前置胎盤、早産で有意に子宮内膜症がある人は高いことがわかりました。

(解説)
子宮内膜症は生殖年齢女性の約10-15%に認められます。そのうち、30-50%が妊娠に対して体外受精が必要となります。子宮内膜症は排卵、卵胞発育に影響を与えます。
腹水や子宮内膜症性のう胞内に炎症細胞を増加させ、子宮内膜状態を変化させたり、正常な胚の成長を阻害するといわれています。このようなことが妊娠後も継続して起こることで妊娠自体や胎児に影響が出てくるのではと考えらます。

今回の結果では、子宮内膜症が無い方にくらべると、妊娠中の主だった合併症のリスクが上がることがわかりました。特に、前置胎盤と早産については、自然でも体外受精でのリスクが上昇することがわかったので、注意が必要と思います。